徹底して山形に密着したフリーペーパー

県内サクランボ事情/コロナ禍で混沌(こんとん)

2020年6月12日
 今年もサクランボの季節到来!年間産出額で全国の8割強を占める山形県はまさにサクランボの聖地。ただ今年は新型コロナウイルスの感染拡大で収穫、販売など各方面で影響が出ているようです。
県内サクランボ事情/コロナ禍で混沌(こんとん)

いよいよサクランボのシーズンですね。

 作柄予想は「やや不作」

 「そうだね。県やJA全農山形などで構成する『県さくらんぼ作柄調査委員会』は5月29日、今年の予想収穫量は平年比94%の1万3200トンで、作柄としては『やや少ない』と発表した。開花期前半の4月末に雨が降ったり、気温が低かったりした影響で平年を下回りそうだけど、実は大きく、品質は期待できそうなんだって」

 収穫期は平年並みか 

 「収穫期は平年並みで、6月中旬からスタートする主力の佐藤錦は6月23~27日ごろ、6月下旬からスタートする紅秀峰は6月30日~7月4日ごろに最盛期を迎える見通しだ」

でも今年はコロナの影響が出てるってテレビや新聞に出てますけど…。

県内サクランボ事情/コロナ禍で混沌(こんとん)

 ピンチの観光果樹園 

 「けっこう深刻だよね。頭を抱えているのが観光果樹園。サクランボ狩りで観光果樹園を訪れる客は年間約50万人で、このうち約8割が県外客とみられてる。でも今年はコロナの影響で県をまたぐ往来には自粛ムードが強いし、もし園内で感染者が出たら大変なことになる」

 東根と寒河江は開園せず 

 「そんなわけで観光果樹園の8割近くが集中する東根市と寒河江市では、それぞれの観光果樹園団体が今季の開園見送りを決めた。開園する上山市では観光果樹園団体が密閉、密集、密接の『3密』を避けるガイドラインを作成、基準をクリアした果樹園は『密ナシュランステッカー』を張り出して安全性をアピールするなどチエを絞ってる」

そうだったんですね。

 旅館従業員が助っ人 

 「サクランボ狩りに例年のような客足が望めないとしても、サクランボはそんなことはお構いなしに成長するわけだから、その分は自分たちで収穫しなきゃいけない。そんな人手はないということで、コロナで休業を余儀なくされてる旅館の従業員の人たちなんかに収穫を手伝ってもらう果樹園もあるようだ」

県内サクランボ事情/コロナ禍で混沌(こんとん)

 値下がりの可能性も 

 「そうやって収穫したサクランボの行方も気になるところ。例年なら観光客に直接渡っていたサクランボが市場にドッと出回ってきたら、供給過剰から値崩れをおこす事態も考えられる。消費者にとって値下がりはありがたいけど、生産者は真っ青だよね」

ふ~ん。

 働き手、県外は望めず 

 「サクランボ農家もコロナ禍で人手不足に直面してる。収穫期の人手不足はここ数年の傾向で、不足を補うため県外からの働き手に頼ってきた経緯があるけど、今年は手を挙げる県外の人が少なく、いても農家の方で断らざるを得ないという状況だとか」
 「というわけでこちらも県内の人手に求人が集中してる。コロナで人手が足りないサクランボ農家と、コロナで自宅待機中の人材がうまくマッチングできればいいんだけどね」

そうですよね。

 気になる需要動向 

 「さっき供給面から値下がりの可能性があるって言ったけど、需要面からも農家にとっては不安材料がある。主要販売先の首都圏なんかで節約ムードが強まっているのか、3月以降に出荷された加温栽培のサクランボは贈答品を中心に低迷し、価格も例年より2割ほど安いっていうんだ」

へー。

 「いずれにしても今年は先行きが不透明。フルーツ大国の山形にとってもサクランボは全体の53%を占める主力商品だけに、早く正常な姿にもどってもらいたいよね」