Let´s know 脳!/天候と頭痛
気圧や気温の変化で
実際、患者さんに頭痛がある日を聞くと、少なからず「雨の日が多い」「雨の降る前日」などとお答えになります。
顎関節症患者と片頭痛患者を対象に気温、気圧、湿度で痛みに変化があるかどうかを調べた報告によれば、天候の変化で痛みの影響を受けやすかったのは片頭痛で、特に気圧と気温の変化が関係していました。

自律神経が関与か
その発生メカニズムですが、耳の奥にある前庭器官の気圧センサーが関係しているという説もあります。気圧が下がると気圧センサーが刺激され、脳の神経も刺激されて頭痛を引き起こしやすくなるというわけです。
個人差もあります
もっとも、ただ気圧が低いほど頭痛が起きやすいというわけではなく、片頭痛は平均気圧1013ヘクトパスカルより6〜10ヘクトパスカル低い場合に最も起きるとされます。
ただ、頭痛を起こしやすい気圧には個人差もあるため、頭痛が多い日が雨の日だったり、曇りの日だったりとバラつきがあるようです。
正しい生活リズムを
天候は人の手で変えることはできませんし、その変化は避けることのできない頭痛のきっかけになりえます。天気の影響で頭痛が起きやすい日に寝不足だったり、深酒したりと新たな要因が加わると強い頭痛が起きてしまう可能性があります。
自分でできる対策としては、まずは生活リズムを乱さないように心がけましょう。室内外の温度差が大きくても刺激になるため温度調節をこまめに行うことも大切です。
また梅雨や台風の時期に合わせ、短期間に予防薬を飲んで頭痛の回数を減らし、頭痛がこじれやすい季節を乗り切る方法もあります。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
●(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。