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医学のうんちく/スマートトイレ

2020年5月22日
 トイレの分野で、日本には世界に誇る温水洗浄便座がありますが、世界ではトイレにセンサーを内蔵し、尿や便を分析して病気の発見につなげる「スマートトイレ」が登場しています。

諸外国で開発進む

 2019年に米ロチェスター工科大の研究チームが開発したスマートトイレは利用者の心拍数や血圧の測定が可能です。
 同年、オランダの非営利団体「大学際微細電子工学中央研究団」は、心拍数、血圧、尿中食塩濃度、温度を測定するスマートトイレを開発したほか、中国の幾何科技公司も尿の量や成分を分析して健康管理につなげるスマートトイレを開発しています。

医学のうんちく/スマートトイレ

「肛門紋」で識別も

 米スタンフォード大学の研究チームは今年4月、尿の成分や流量、便の形状や硬さから糖尿病、がん、腎不全などをチェックするスマートトイレを開発したと発表しました。
 トイレの洗浄ハンドルで指紋を読み取ることができるため、指紋と肛門の模様(肛門紋)の両方で利用者を識別できるため、複数の人間が同じトイレを利用しても識別は可能。現状の装置は洋式トイレにしか取り付けられないため、スマホで便を撮影するだけで便の状態を判定できるアプリも開発しています。

巻き返し狙う日本勢

 翻って日本では、最大手のTOTOが07年に尿の勢いや量を自動測定するトイレを販売。08年には血糖値、体温、体重を測定できる「インテリジェンストイレ」を販売しましたが、あまり売れませんでした。
 巻き返しを狙い、近年は尿と便の成分分析により体格指数(BMI)、身体の生化学的構成物質や尿の温度を測定できるスマートトイレを設計しています。

家庭のミニ診療所に?

 スマートトイレは家庭での「ミニ診療所」になるかもしれませんね。


医学のうんちく/スマートトイレ
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。