徹底して山形に密着したフリーペーパー

おおみや旅館グループ 社長 伊藤 聖さん

2020年4月24日
伊藤 聖(いとう・すぐる) 1982年(昭和57年)秋田市に生まれ、秋田高校から新潟大工学部に進む。在学中に蔵王温泉のおおみや旅館グループ総帥・伊藤八右衛門氏の長女で同大経済学部に在籍していた同じ年の好美さんと知り合い、卒業後に結婚。その後に上京して税理士資格を取得、各種サービス業で実務を経験して2008年におおみや旅館グループへ。17年専務、20年2月1日に社長就任。38歳。
おおみや旅館グループ 社長 伊藤 聖さん

新型コロナ蔓延で今は雌伏の時
  このピンチをチャンスと捉えたい

――新型コロナウイルスが県内の温泉旅館を直撃しています。

19日から3施設休業

 「すでに銀山、かみのやま、湯野浜、あつみなどの主要温泉街が営業自粛を発表しています。78件と県内最大の宿泊施設数を誇る蔵王も3分の2が休業状態。休業でも固定費はかかりますが、宿泊予約が大幅に減り、万一の従業員の感染リスクも考えれば仕方がない」
 「私どものグループではおおみや旅館、蔵王四季のホテル、蔵王国際ホテルの3施設を展開していますが、おおみやと四季のホテルは4月12日から、国際ホテルも19日から休業に入りました」
――宿泊予約の落ち込みってどれぐらい?

状況は日増しに悪化

 「日を追うごとに状況は悪くなってます。グループ全体では前年比で2月は1割減、3月は3割減、4月に至っては9割減。その直前の1月と昨年12月は過去最高の売上高だったんですが…」
――従業員の方は?
 「正社員とパートを合わせ約90人。3施設休業に伴い、各施設には2人程度の配置にとどめ、残る従業員は4月からの新卒採用者を含め自宅で休んでもらうようお願いしています」
 「会社も苦しいところですが、従業員の生活を守るため、雇用調整助成金を活用して休みの間も給与は100%支払うことを約束しました」

社長になった途端

――「いずれは」というお立場だったんだろうけど、社長就任を内示されたのは?
 「昨年12月でした」
――じゃあ絶好調の時に内示を受けて、正式に就任した直後にコロナに見舞われたと。
 「そういうことになりますね(苦笑)。ただ入社して東日本大震災も蔵王山の火口周辺警報も経験してますし、先行きはそれほど悲観してもいません。2~3年ごとにやってくる〝天災〟みたいな感じでしょうか」
 「楽観的すぎると思われるかもしれませんが、コロナ以前が絶好調だったことが示すように、サービスの質向上に努めて商品価値を高めていけば必ずお客様は来てくれる。それを実践してくれる従業員の雇用は何としても守りたい」

大切な従業員

 「自宅にいる従業員には、この機会を利用してどうしたら顧客満足度をさらに上げられるかという『改善提案書』を渡しています。コロナ騒動が収束した後、再びグループを成長軌道に乗せるのが私の使命ですから」
――最大の問題はいつ収束するかだよねえ。 
 「今は雌伏の時。従業員とともに一丸となり、ピンチをチャンスにつなげたいですね」