ティスコ運輸(山形市)社長 菅原 茂秋さん

物流業、受け身では生き残れない
課題解決力、人材育成が鍵握る
――元自衛官っていうのが異色ですね。
自衛官から起業
「パイロットを目指していましたが、適正診断でハネられて。それなら(自衛隊に)長くいる意味はないと思い、4年勤務して除隊、次の目標を探そうと22の時に帰郷しました」
「最初に勤めた先は父親が勤務していた山形市の自動車部品メーカー。そこで社員扱いにしてもらい、父が担当していた配送の仕事をトラック1台借りてフリーランス的に1人で任されるようになりました」
「そこでの仕事ぶりが認められ、社長さんと、もう1人の方の出資を仰いでティスコ運輸の設立にこぎつけたのが2000年、29の時。まだ若かったから当初はただひたすら、ひたむきに働いていた記憶がありますね」
――それが壁にぶち当たったと。
「若さや、ひたむきさだけでは限界があるんでしょうね、設立後5年ほどして会社は踊り場に。試行錯誤した末に中小企業家同友会に入会し、経営指針を明確にするようになったことが脱皮できた契機になりました」
経営指針を明確化
「具体的にですか?要約すれば、会社として独自性を打ち出す、社会的役割を果たす、社員や取引先を大事にする――の3点でしょうか」
――ふ~ん。
「多品種・小ロット化でかつてのような大量輸送時代は終わった。我々にとっても顧客である荷主にとっても輸送効率を上げることは喫緊の課題です」
「物流業が生き残っていくには、従来のように受け身で価格競争に走っていてはダメ。課題を解決する提案力、そのための人材育成が急務です。そのあたりのところで知恵を絞っているという自負はありますね」
物流で雇用創出も
――その象徴が去年できた大型物流センター?
「センター内には複数の企業が入居し、集荷や配送はもちろん、それに関わる全ての業務をワンストップで行えるようになりました。これによって全国に比べても割高な県内の物流コストを削減できれば、地域の産業発展や雇用創出にもつながるはずです」
――「100円ランチ」がまたユニークで。
「臨時休校になった児童を抱える従業員から『子どもの昼食が困る』といった声を聞いて。当初は近隣の出羽小や山形七小らの児童がきてましたが、最近は学区外や市外の児童の姿も(笑)」
細目のタレント似
――末恐ろしい49歳。
「そんなそんな」
――長州力?
「それはないけど、たまに布施博とか(笑)」