徹底して山形に密着したフリーペーパー

内科あれこれ/健診について

2020年3月27日
 みなさんの関心事である新型コロナウイルスに関しては専門家の先生にお任せするしかなく、町医者の私は粛々と本分を尽くすばかりです。今回は健康診断のお話です。

健診の目的とは

 健康診断(健診)の目的は、みなさんが病気になる前にどんなことに気をつければいいかを見つけることで、基本的には病気を見つけるためのものではありません。

内科あれこれ/健診について

コレステロールの場合

 例えば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は「120以上139以下」が“要指導”で、放置すると「コレステロール血症」になるので食事に気をつけて適度な運動をしましょうという意味です。
 140以上になると立派な(?)コレステロール血症で、やはり食事療法と運動療法が勧められます。ただ薬物療法が必要なのは180以上。だからといってそれまでは大丈夫というわけではなく、日々の自己管理が重要です。

血圧の場合

 血圧などはニュアンスが異なります。血圧は常に変動するもので、測った場所や時間などによって数字が異なってきます。健診では従来「上が140以上、下が90以上」が要受診の目安とされてきました。
 ただ最近は自分で血圧を測る「家庭血圧」をお勧めしているほか、要受診の目安も「上が135以上、下が85以上」まで下がっています。

リスクを防ぐのが目的

 ただ、血圧が高いからといって下げること自体が目的ではありません。正常な血圧を保っていくことで心筋梗塞や脳梗塞などの病気を防ぐことが目的です。健診でそれらのリスクを未然に防ぐことが目的なのです。


内科あれこれ/健診について
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。