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医学のうんちく/持続勃起症

2020年3月27日
 前回は性行為を望んでいないのに性的興奮が起きる「持続性性喚起症候群(じぞくせいせいかんき しょうこうぐん)」のお話でしたが、今回は性的興奮すら生じていないのに4時間超も勃起してしまう「持続勃起症」のお話です。

陰茎に血液が滞留

 持続勃起症には大別すると虚血性と非虚血性があります。
 虚血性は静脈が閉塞することで生じます。その結果、陰茎海綿体に血液が滞留し、勃起後6~8時間で激しい痛みが生じます。長時間の勃起により陰茎組織の壊死につながる可能性も。
 原因としては、勃起不全の治療薬、降圧剤、抗うつ薬、統合失調症薬などの薬剤性、白血病や多発性骨髄腫などの血液疾患、脊髄疾患などがあります。

医学のうんちく/持続勃起症

陰茎に血液が過剰流入

 非虚血性は陰茎海綿体動脈が破綻して動脈血が過剰流入することで生じます。静脈は閉塞していないため海綿体からの血液は流出できます。勃起はしますが完全に硬くなりません。 
 そのため痛みは少なく、陰茎組織の壊死もありません。日本では約90%が会陰部の打撲が原因で、多くの場合、受傷直後ではなく、時間が経過して発症することが分かっています。

虚血性の治療

 虚血性の治療は陰茎に血管収縮薬を注射し、陰茎への血液流入を減少させ、針などで陰茎から血液を抜き取ります。さらに海綿体を洗浄して酸素の欠乏した血液や血栓の除去を補助します。
 不十分な場合は陰茎海綿体と亀頭との間に血液の流出路を作製します。虚血性は持続時間が長くなるほど治療後の勃起不全の発症が高くなるため早期治療が不可欠です。

非虚血性の治療

 非虚血性の治療は経過観察を選択します。観察しても症状に改善が見られない場合は海綿体動脈塞栓術も考慮しますが、塞栓術後の勃起不全発症は15~20%です。


医学のうんちく/持続勃起症
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。