徹底して山形に密着したフリーペーパー

E旅(山形市) 社長 金田 史生さん

2020年3月13日
金田 史生(かねだ・ふみお) 1967年(昭和42年)山形市生まれ。山形商業高卒業後、食肉大手の丸大食品(大阪府高槻市)入社。福島県でルートセールスの営業に携わり、「全国トップレベルの成績を挙げていた」(本人の弁)が、旅行好きが高じて2002年に同社退社、旅行代理業の山形E旅を創業。新規参入の壁に阻まれ悪戦苦闘を続けた後、巻き返しを狙って15年に5000万円を投じて東北初のプレミアムバス1台を導入、同バスを使った旅行商品に社運をかける。53歳。
E旅(山形市) 社長 金田 史生さん

新型ウイルスでキャンセルが続出
  それでも這い上がってみせたい

――改めて決算書を見てみたんだけどさ。
 「うん、うん」
――創業からけっこう赤字続きだよね(苦笑)

創業から赤字の連続

 「そこを突いてきますか(苦笑)。だって旅行業界って旧態依然としていて、新規参入組はいろいろ阻まれるんですよ。だから創業以来、なかなか赤字体質から脱却できなかったんだけど、昨年11月決算でようやく黒字に転換できた」
――これまでの累積損っていくらぐらい?
 「う~ん、言えないぐらいある(苦笑)」
――黒字化に貢献したのはプレミアムバス?
 「そう。5年前に導入したものの、運転手不足もあって満足に動かせなかったんだけど、去年はフル稼働。売り上げは全体の約半分を占める稼ぎ頭になってくれた」
――そもそもプレミアムバスって?

東北初のプレミアムバス

 「うちのは外観がワインカラーのシックないでたち。座席数は同型バスの約半分で、その分、1人分の空間にゆとりがあって長旅も苦にならない。女性向けにパウダールーム付きの広いトイレも備えているんですよ」
 「東北ではうちだけだから、新規客が獲得できるし、リピーターも多かった。『このバスで借金を返していくぞ』と気合を入れていた矢先、新型コロナウイルスで…」
――ウイルスで!

キャンセル続出
  
 「騒動が持ち上がってからというもの、キャンセルが続出し、3月以降は1日も動かせていない状態。キャンセルで消えた金額はざっと月商分。騒動がいつ収束するか先が見えない分、9年前の東日本大震災の時より深刻だよね」
 「言いたいこと?山ほどありますよ。患者数はインフルエンザより少ないっていうし、それなのに政府やマスコミは自粛ムードを煽りすぎ。正しいことを伝えてない」
――でも今の立場でそれは公には言えんわな。
 「そうなんですよねえ。だから今できることは、騒動の収束時に備えてプレミアムバスを使ったいろんな旅行商品を考えておくことぐらい。苦しいけど、4月には初めて新卒の社員も入ってくるし、社員を守るためにも今は耐えるしかない」
――脱サラして、何か苦労の連続のような。

「必ず這い上がる」

 「でも負けないっスよ。尊敬してるのは永ちゃん(矢沢永吉)。旧態依然とした業界内でいじめられても、必ず〝這い上がる〟という気概で頑張っていきます」
――たくましさはあるんだよねえ。
 「冗談半分、今回の危機を乗り切ったら回顧録でも書こうかな(笑)」