Let´s know 脳!/春の頭痛(上)
ストレスが原因
約2000人の学生を対象としたアンケート調調査で頭痛の起きるタイミングを聞いたところ、「学校に行っている時」の方が「休日」より多いことが分かりました。学校に行くことがストレスになり、感情的な高ぶりが頭痛を引き起こす要因になるようです。
頭痛が生じる原因を調べた別の研究でも、環境や人間関係の変化からくる急性のストレス障害が最も頭痛を誘発しやすいと報告しています。

新しい環境になじめず
最近は入学や入社前からSNSなどを利用し、新しい仲間たちと繋がる傾向もあるそうですが、新入生や新社会人はそんな“行動派”ばかりではありません。
新しい学校や職場の環境になじめず、それまで抱いていた期待が大きく裏切られて落胆に繋がるケースは多々あるでしょう。
そんな場合に精神的にダメージを受けることは容易に想像できます。新たなスタート台に立てない、自分が思った通りにならない――そんな葛藤から引き起こされる頭痛があるのです。
頭痛以外の症状も
頭痛以外の症状も同時に起きることがあり、日本人に昔から多い症状は腹痛です。
頭痛や腹痛にとどまらず、動悸が激しくなる、冷や汗が止まらないといった様々な身体の異変が生じることもあり、学校や職場に行くことが困難になるケースもあります。
専門医に相談を
このような場合は「適応障害」と呼ばれる疾患の可能性もあり、精神科やカウンセラーなど専門的な治療が必要になることもあります。頭痛や他の症状が続く場合は専門医に相談することも考えましょう。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
●(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。