霞城セントラル 一部所有権が移転?/管理会社が売却計画
霞城セントラルは山形駅西口開発の中核施設として2001年にオープン。地上24階、高さは115メートルで、市内では1位、県内でも上山市の超高層マンション「スカイタワー41」に次ぐ高さを誇る。
開発費は約210億円で県、市、新都心開発がそれぞれ3分の1を負担、約10者がスペースを区分所有している。入居しているのは県や市の外郭団体、県産業科学館や市保健所、ホテルや映画館を含む民間企業など。

米沢の不動産会社に
関係者によれば、新都新開発が区分所有権売却の検討を始めたのは昨年12月以降。売却先として県内や首都圏の4~5社が候補に挙がり、2月上旬までに米沢市の不動産賃貸業「サトヤ」が実質支配するトラストワーク(米沢市)に絞り込まれたという。売却額は25億円前後とみられる。
区分所有者は霞城セントラル管理組合を組織し、所有権を売却する場合は「優先譲渡」の規定を定めているが、新都心開発以外の区分所有者が同社から売却計画を示されたのは2月中旬。規定では、その日から30日以内に優先譲渡の意思を示さない限り、同社の区分所有権はトラストワークに譲渡されるという。
「双日の方針」
関係者によれば、売却理由として新都心開発では「双日の方針」と説明、所有権の譲渡後も同社がビルを管理する仕組みは変わらないと話しているという。
信用調査機関によれば、サトヤは米沢市のほか福島県と宮城県にビルやマンションを所有、年間売上高は約6億円と不動産賃貸業では県内最大規模とみられる。
双日は前身の日商岩井時代から霞城セントラルの建設に関わり、子会社の新都心開発もビル管理やイベントなどを通じて地元と信頼関係を築いてきた経緯がある。
それだけに関係者の間では「なぜこの時期に」「話が急すぎる」と戸惑いの声が広がっている。一部では今期決算で減益が見込まれる双日が、利益のかさ上げを狙って売却を急いだとの見方もある。
県や市も「ランドマーク的な施設だけに、所有権の転売が繰り返されることがないよう慎重に対処したい」と動揺を隠せない。
取材に対し双日、新都心開発、サトヤは「何も決まっていない」とコメントしている。