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Let´s know 脳!/スポーツと脳震盪

 昨年はラグビーW杯、今年は東京五輪とビッグイベントが続き、スポーツ熱が盛り上がっていますが、スポーツにはケガはつきもの。今回は頭が揺さぶられて生じる「脳震盪(のうしんとう)」のお話です。

精神的な症状も

 一般に脳震盪といえば、スポーツなどで頭を強く打った後に生じる意識障害や、何らかの症状を呈するものだと理解されているでしょう。
 実際、国際スポーツ脳震盪会議の最新の診断基準では、頭痛、バランス障害、意識消失、頭を打ったことを覚えていないなどの症状を挙げていますが、それ以外に情緒不安定、無気力、集中力の低下なども脳震盪の症状に入れています。

Let´s know 脳!/スポーツと脳震盪

脳震盪後症候群

 多くの場合、脳震盪は大人では1週間程度、子どもでは1~2週間で改善します。ただ場合によっては数カ月長引くこともあります。
 大人で10~14日以内、子どもで4週間以内に回復しない場合は「脳震盪後症候群」が疑われ、初期症状が重篤なほど脳震盪後症候群が発生する可能性が高まります。

脳震盪の30%までが

 カナダからの報告では、脳震盪と診断された子ども2000人のうち30%に相当する510人が脳震盪後症候群と診断されました。さらに脳震盪後症候群と診断された子どもたちは3カ月以内に身体症状、認知機能の問題、気分の低下、行動の変化などが見られたと報告されています。

専門医に相談を

 脳震盪が疑われる場合、直ちに運動をやめさせるのはもちろんのこと、症状が収まったとしても医師の診察なしに運動に復帰させるのは危険です。
 また脳震盪後に運動を再開するのにも注意が必要で、急いで再開することで症状が悪化する場合もあります。外傷後に症状が続く場合は専門医に相談することをお勧めします。


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TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。