税金のABC/(117)医療費控除
10万円以下でも控除
それが2年前に創設された「セルフメディケーション税制」です。もともと医師が処方していた薬を一般向けに転用した「スイッチOTC」と呼ばれる医薬品が対象で、これら医薬品の購入額が1万2000円を超えた場合、超過分を所得から差し引けます。
スイッチOTCなど聞きなれない用語ですが、風邪薬から花粉症の薬まで多岐にわたります。

得な方を選びましょう
医療費控除とセルフメディケーション税制はいずれか一つしか利用できません。その時の判断としては、全額で18万8千円を超えるなら医療費控除を使う方がお得です。
18万8千円以下の場合、セルフメディケーション税制対象額を除いた金額が8万8千円以下ならセルフメディケーション税制を選択した方が得になります。
保険金と医療費
医療費控除に関して注意点をひとつ。病気やケガなどで保険金を受け取った場合、かかった医療費よりも受け取った保険金が多い場合などは、他の治療のために支払った医療費から保険金を差し引くことはありません。
スマホ申告も可能に
来年1月31日からは国税庁のホームページでスマホからのマイナンバーカード方式によるe-Tax送信のサービスが始まる予定です。
マイナンバーカードとマイナンバーカード読取り対応のスマホがあれば確定申告ができます。医療費控除が利用できる方は活用を検討してみてはいかがでしょうか。
また2020年分の確定申告から医療費控除の明細に医療費の内容を記載して提出する方法だけになり、領収書の束は自宅で5年間保存する義務が出てきます。
税務署からの問い合わせがあれば提出もしくは提示しなければならないことをお忘れなく。


税理士 柴田 律子