徹底して山形に密着したフリーペーパー

福祉ネイリスト 阿部 江津子さん

2019年11月22日
阿部 江津子(あべ・えつこ) 1979年(昭和54年)山形市生まれ。山本学園を卒業後、市内の医療事務の仕事に携わった後に仙台市のネイル専門校に入学、市内のネイルサロン勤務を経て2015年に青田の自宅でネイルサロンを開業。17年4月に一般社団法人・日本保健福祉ネイリスト協会(東京)から「福祉ネイリスト」として県内初の認定を受け、主として宮城県の福祉施設に出向いて高齢者や障害者にネイルを施す活動を続けている。39歳。
福祉ネイリスト 阿部 江津子さん

高齢者に〝美爪〟で寄り添い
  笑顔と元気をお手伝いしたい

――福祉ネイリストって?

県内では初の認定

 「2014年に設立された日本保健福祉ネイリスト協会の認定資格です。自力ではサロンに行けない高齢者や障害者のために施設などを回って爪の手入れやハンドマッサージなどを施すと同時に、会話やスキンシップなどのコミュニケーションを通じて入所者に“寄り添う”仕事です」
 「全国で約800人が活動してますが、県内では最初に認定された私を含め3~4人。地方では認知度がまだ低くて…」
――なぜこの分野に?
 「もともとネイルの仕事が好きで、いろんな回り道を経て4年前にサロンを開業しました。近所や知り合いの方々がお客様でしたが、ある時、テレビでネイルを施されているお年寄りにスポットを当てた番組を見て」

きっかけはTV番組

 「そこでは爪がきれいになるにつれ、笑顔と元気がよみがえるお年寄りの様子が紹介されていた。ネイルを施していた人の達成感のある表情も印象的で、『私もやってみたい!』と」
 「私の身のまわりも祖母は老人施設にいて、姉は生まれながらの障害者。ハンデのある人は身近な存在で、そんな人たちの生活の質向上のためにこれまでのネイリストとしての経験や蓄積が生かせればと思いました」
――ボクも爪はともかく、ボケても見た目は気にしたいかも(苦笑)
 「ある調査によれば、認知症患者にネイルケアを施したところ、それまで消極的だった集団行動に積極的に参加するようになったり、問題行動も改善するようになったとか。やっぱり男性も女性も『灰になるまで』なんでしょうね(笑)」

人生100年時代

 「ネイルは化粧と違って1度塗ると水仕事などをしない限り2週間程度はもちます。鏡などを介さず、常に目に入ることで満足感を得られるのもネイルの特徴ですね」
――人生100年の時代のニーズに合った仕事のようだけど。
 「やっぱり県内では認知度が低く、付き添いの介護職員の不足、レクリエーションの余裕がないなどの理由で受け入れてくれる施設はほぼゼロ。現在の定期訪問先は宮城県内の2カ所にとどまっているのが実情で…」
――そうなんだあ。

地道に普及活動

 「なので県内では各地で開催されるイベントなどに参加したり、施設を回って無料のお試し会などを続けています」
――地道な作業ですね。
 「だけど利用者が喜んでくれていることは肌で感じます。あとは施設側の意識が変わってくれれば。福祉ネイルの仲間も増えてくれれば嬉しい」