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内科あれこれ/肝硬変の話

2019年11月22日
 肝硬変とは肝臓が線維化を起こし、肝臓の機能が低下して肝不全を起こす病気です。肝不全になると肝臓がん・食道静脈瘤を合併し生命にかかわる状態となりえます。

原因は肝炎など

 原因としては①B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなどウイルス系肝炎②非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)③原発性胆汁性胆管炎(PBC)④自己免疫性肝炎⑤アルコール――などが挙げられます。
 少し前まではB・C型肝炎に対しては有効な治療法が見つかず、「肝硬変になったら治しようがない」とされてきましたが、昨今はインターフェロン治療が普及し、現在は内服薬での治療が高い成果を上げています。

内科あれこれ/肝硬変の話

新薬が待たれる脂肪肝

 NAFLDは一般には「脂肪肝」として知られています。以前はあまり重症化しないと考えられ、現在でも食事療法や合併する糖尿病や高血圧、高脂血症に対する薬物療法が主流ですが、ここ20年でNAFLDから脂肪性肝炎となり、肝硬変から肝臓がんとなる患者さんも増えています。
 同じような食生活をしていても肝機能が上がる人と上がらない人がいますから、脂肪肝そのものを改善するような薬の開発が待たれます。

PBC、自己免疫性

 PBCは原因が十分に解明されていませんが、胆汁酸が有効なことが知られており、中性脂肪を下げる薬も追加治療として有効です。現時点では早期発見が大切です。
 自己免疫性肝炎はその名の通り自分の免疫力が肝臓に働いてしまう病気です。免疫力を抑える薬剤(ステロイド・免疫抑制剤)が使用されていますが、副作用もあり十分とは言えない状況です。
 アルコールは自己責任というわけではなく、別なアプローチが必要な疾患といえるでしょう。


内科あれこれ/肝硬変の話
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。