蔵王食品 来年9月で解散へ/明治との契約終了で 87年の歴史に幕
2019年11月8日
食品大手の明治の完全子会社で菓子製造の蔵王食品(上山市、長場秀彦社長)が、来年9月末で会社を解散することが分かった。同日で明治との製造委託契約が終了することが理由で、1933年(昭和8年)に操業を始めた前身の明治製菓上山工場から続く87年の歴史に幕を下ろすことになる。全正社員には明治が再雇用を提案するという。

蔵王食品が会社解散を決めたのは10月25日に開催した取締役会で、すでに同社労働組合などには通知済み。同社によれば、明治とは2006年から「商品製造ならびに売買基本契約書」を取り交わして事業を続けていたが、今年7月3日、明治から建屋や設備の老朽化などを理由に2020年9月30日で契約を終了したいという通知を受けたという。
通知を受け同社では様々な角度から事業継続の可能性を模索したが、最終的に収益を得られる体制の構築は困難と判断、会社解散を決めたとしている。
明治製菓上山工場が蔵王食品として再スタートしたのは1980年(昭和55年)。かつてはスナック菓子「カール」を中心に製造していたが、カールの東日本での販売が終了した2017年以降はチョコレート「おいしいoff」「きのこの山」などを製造している。
やまコミの取材に対し明治では「蔵王食品との契約終了は選択と集中による事業構造改革の一環。解散後の正社員の処遇に関しては再雇用を提案していくが、個々の内容や条件については公表は控えたい」と回答している。