《おしえて!編集長》今年の灯油価格は?

朝晩の冷え込みが感じられるようになりましたね。
今年は暖冬?
「そうだね。ただ気象庁が9月25日に発表した10~12月の3カ月予報によれば、全国的に温かい空気に覆われやすく、特に10月は高温になりそうなんだって。12月~来年1月にかけても寒気の影響は弱く、暖冬傾向になると見通してる」
「個人的には雪下ろしは勘弁してもらいたいので厳冬は困るんだけど、去年も暖冬だったし、これらが地球温暖化の影響だとすると考えさせられるよなあ。やっぱ気候変動という大きな問題を『セクシー』にやられてもなあ(苦笑)」
そうですよね。
「厳冬で灯油需要が急増するという可能性は少ないとすれば、今年の灯油価格は原料の原油と為替相場に左右される展開になりそうだ」

今の水準は?
店頭価格、去年より安め
「資源エネルギー庁が毎週発表している県内の灯油の店頭価格は10月15日時点で1リットル88.7円で、去年の今ごろの96.9円と比べて8.2円安くなってる」
「店頭価格とは別に、山形市周辺の配達価格の目安が石油販売会社『ジャオ』が消費者連合会と交渉して決める価格で、10月1日から翌年3月31日まで適用される。その後の情勢の変化で期中改定はあるけどね」
ふ~ん
納入価格も3円安
「その価格だけど、9月19日に行われた今年1回目の交渉ではホームタンク用が1リットル95円、ポリタンク用が同96円で、去年のスタート時点に比べいずれも3円安。店頭価格に比べ下げ幅が小さいのは消費税アップ分を含めているからなんだって」
安くなってる理由って?
原油価格は沈静化
「原油価格が下がってるからさ。もう忘れてるだろうけど、去年の今ごろはトランプ米大統領がイランに何やかやとイチャモンをつけ、日本など西側諸国にイラン産原油を買わないよう圧力をかけてた」
「その結果、イラン産原油がマーケットから消え、世界中で原油が足りない状況だった。それやこれやで原油価格は1バレル(約159リットル)70ドル前後と前年同時期に比べざっと4割値上がりした経緯がある。その後は徐々に値下がりし、今は50ドル台で落ち着いているけど」
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でもつい最近、中東のどこかの石油施設が攻撃されて、原油価格が急騰してるっていうニュースを見たような、聞いたような…。 |

地政学リスクにも反応薄
「確かに9月14日、中東最大の産油国・サウジアラビアの石油施設が無人機やミサイルの攻撃を受けて壊滅的打撃を受けた。この影響で原油は一時60ドル台に急騰したけど、やっぱり直後に値下がりしてる」
「10月11日にはイランの石油タンカーが爆発するといった事件もおきたけど、原油価格はほとんど反応せず。つまりよほどのことがない限り、今の50ドル台を超えて急騰することはないってことなんだろうな」
どうしてなんですか?
「世界的に需給が緩んでいるからとされる。石油輸出国機構(OPEC)は減産を続けてるけど、産油国のロシアは隠れて増産してるっていうし、アメリカは原油に近いシェールオイルの生産を増やしてるっていうし」
今の水準が続く?
今年の灯油価格の結論とすれば…。
「俺にそれを言わせる?まあ中東の地政学リスクという波乱要因をかかえつつも、とりあえずはこのままの水準が続くんじゃないでしょうか(苦笑)」