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<荒井幸博のシネマつれづれ>最高の人生の見つけ方

2019年10月11日
吉永直近主演作の最高峰

 ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演で2007年に制作され大ヒットした同名映画を換骨奪胎(かんこつだったい)し、吉永小百合と天海祐希のダブル主演で再映画化した感動作。

<荒井幸博のシネマつれづれ>最高の人生の見つけ方

 ともにがんで余命宣告を受け、入院中の病院で出会った幸枝(吉永)とマ子(天海)。幸枝は人生のほとんどを専業主婦として家庭に捧げてきた。マ子は一代でホテル王にまで上り詰めた富豪の女社長。
 幸枝の亭主(前川清)は怠惰で無気力、息子は引き籠り、娘(満島ひかり)は母を反面教師にしている仕事人間。マ子は副社長に据えた年若い夫(賀来賢人)が若い女と浮気し、会社乗っ取りをたくらんでいた。
 報われない幸枝とマ子だったが、ある日、同じ病院に入院している12歳の少女の〈死ぬまでにやりたいことリスト〉が書かれた手帳を拾う。2人はスカイダイビングやアイドルのコンサートに行くといったリストに書かれているすべてのことを実行しようとする――。

 過去20年の吉永主演作でも最高作ではないかと思わせるほど、泣いて笑って共感できた作品。
 9月25日にやまぎんホール(山形県民会館)で特別先行上映が行われ、吉永さんと天海さんが記者会見後に舞台挨拶。2人の共演は18年前ぶりだが、当時から「女2人のロードムービーをやりたい」と語り合っていたそうで、吉永さんは「(本作の)相棒は天海さんしかいない!」と思ったとか。

 会場の1700席は満席。やまぎんホールは11月末で閉館するが、開館したのは1962年(昭和37年)7月10日。それに先立つ同年4月に吉永さんの代表作「キューポラのある街」が公開され、この年発売した「寒い朝」「いつでも夢を」が大ヒット。しかも後者はレコード大賞受賞。県民会館はいわば“小百合ブーム”真っただ中で誕生したといえる。
 その吉永さんが57年後に登壇して満席の観衆を沸かす。県民会館にとってこれほどの幸せはなかっただろう。


<荒井幸博のシネマつれづれ>最高の人生の見つけ方
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(木曜12時)を担当。