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天童ホテル(天童市)社長 押野 茂さん

2019年10月11日
押野 茂(おしの・しげる) 1978年(昭和53年)天童ホテル創業家の長男として天童市で生まれる。山形東高から東大農学部獣医学科に進み、東大付属動物医療センターなどで勤務医として働いた後、2009年に東京YMCA国際ホテル専門学校に入学、東京のホテルでの修業を経て13年に天童ホテルへ。15年から社長。ホテル業と「アンジェリーナ」でのブライダル業を指揮するかたわら、天童温泉街に屋台村「と横丁」を整備するプロジェクトの旗振り役も務める。3男の父で、奥さんの幸子さんも獣医師の資格を持つ。41歳
天童ホテル(天童市)社長 押野 茂さん

屋台村「と横丁」を起爆剤に
 天童温泉に往時のにぎわいを

――ご夫婦で獣医さんの資格をお持ちとか。

東大を出て獣医に

 「もともと動物好きで実家ではずっと犬を飼ってました。物心ついた時から『いずれは家業を』という意識はありましたが、親から強制されたことはなく、とりあえずは獣医になろうと。妻は勤務医時代の同僚です」
――もったいない気もするけど、県内最大手ホテルが実家じゃねえ。
 「客室数では古窯さんに続く2番手ですが、6年前に戻ってきた時は社内は牧歌的というか、前近代的というか…(苦笑)。基本、パソコンは導入してなかったし、ネット環境も未整備。社員の配置にも無駄がありました。そのあたりを徐々に変えていってます」

目指したい業界トップ

 「ホテルは定期的にリニューアルが必要で、ロビー、浴場などを刷新しました。結婚式場(アンジェリーナ)も流行を取り入れて常に新しさを打ち出していかないと」
 「ブランド力を高めるためにも業界トップは目指していきたい。ブランド力が高まれば価格競争にも巻き込まれませんから。M&A(合併・買収)ですか?現時点でそれは考えてません」
――自社のことだけでも大変そうなのに、屋台村もやるんでしょ。

屋台村、5年来の構想

 「構想は5年前から温めてました。弊社の駐車場スペースを活用して8店舗からなる『天童温泉屋台村〈と横丁〉』を来年1月に開業します。名前の由来は将棋の『歩』が敵陣に突入した時になる『と』から。運営は天童温泉の若手経営者らが出資する『DMC天童温泉』があたる計画です」
 「整備費は補助金を活用するのと、ネットを通じて賛同してくれる人たちから資金を受けるクラウドファンディングを11月から募集します。8店舗も現在募集中です」
――狙いは奈辺に?
 「ピーク時には年間130万人超だった天童温泉の観光客は今では70万人。屋台村が起爆剤になって、昔のようにカランコロンと下駄音が鳴り響くような往時のにぎわいを復活させたい」
 「各社が個別に売り上げや利益を追求するのではなく、天童温泉全体の集客増が図れれば自然と各社も潤うはず。自分が旗振り役を買って出たのは、いま話題のラグビーでいうところの『1人はすべてのため、すべては1人のため』みたいなノリですかね」

ディーン・フジオカ?

――親父さんはいかついイメージだけど、端正なお顔立ちだこと。
 「有難うございます」
――真田広之とかディーン・フジオカみたい。
 「たま~に言われることはありますね(笑)」