徹底して山形に密着したフリーペーパー

私を村山に連れてって!!

2007年6月8日
 やまがたコミュニティ新聞のカッシーです。県内各地で咲き誇った桜もいつしか散り、何かしら心にポッカリと穴が開いたような今日このごろ。そんな心の空白を埋めようと県内の観光ガイドブックをながめていたら、あった、あった、ありました! 山形県の中央部に位置する村山市の「東沢バラ公園」。バラ園としては全国最大級の規模を持ち、しかも周辺は舟下りあり、ソバの名店、温泉ありと、まさに観光づくし。そんなわけで、私を村山に連れてって——。
私を村山に連れてって!!
 地図で見ると村山市は東西に長く、新幹線とか国道13号を使う時はアッという間に通り過ぎてしまいます。
 しかも山形市から車で13号を北上していくと、途中で「←天童」「←東根」「←尾花沢・新庄」とかの標識は何度も出てくるのですが、気のせいか「←村山」は発見できず。これってヒドくありません?
 そんな不当な扱いを受けている村山市ですが、ガイドブックで調べてみると、これが意外にも観光の宝庫なのです。

咲き誇るバラ 香りにもウットリ

 まず「東沢バラ公園」。東京ドーム3個がスッポリと収まってしまう約7ヘクタールという規模です。しかもバラ園のほか3つの湖や緑豊かな森林で構成される美しい公園なのです。
 バラ園には世界各国の約750品種、2万株のバラが咲き誇り、園内は甘い香りでいっぱい。2001年(平成13年)に全国にあるバラ園の中で唯一、環境省から「かおり風景100選」の認定を受けたことも納得です。
2日から7月1日まで「ばらまつり」を開催中。見ごろは6月10日以降で、10日に「山形舞子フォトコンテント」、16日に「バラの切り絵あそび」、29日にはバラ制定都市による「ばらサミット」など各種のイベントも予定されています。
 園内限定のバラソフトクリーム、バラワイン、バラ菓子「バラのほほえみ」なども販売しており、入園料は大人400円、子ども200円。
サクランボ
日本一おいしい(?) 村山のサクランボ

 「ばらまつり」とあわせ、サクランボ狩りも村山市でピークを迎えます。サクランボでは東根市と寒河江市が規模などの面で日本一を競っていますが、村山市も負けていません。キャッチフレーズは「日本一おいしいサクランボの里」(!?)。
 市内にある「観光さくらんぼ村」と「西部フルーツ組合」では大人1200円、子ども1000円で食べ放題が楽しめます。地方発送もOKだそうです。
私を村山に連れてって!!
三大急流に歴史ロマン

 村山市を語るうえで絶対にハズせないのが最上川。全長229キロの最上川は源流から河口までが一つの県で完結する全国最長の「一県一川」で、富士川(山梨・静岡県)、球磨川(熊本県)と並ぶ日本三大急流としても知られています。
 山形の母なる川・最上川は江戸時代、舟運が盛んでしたが、難所とされたのが「碁点(ごてん)」「三ケ瀬(みかのせ)」「隼(はやぶさ)」の3ヶ所。特に水が少なくなる夏場はゴツゴツした岩場がむき出しになり、舟運に大きな障害になったとされます。
 この「三難所」、すべて村山市にあるんです。江戸時代はお荷物的な存在でしたが、舟運がその役割を終えた現在では魅力ある観光スポットに。「最上川三難所舟下り」が碁点を起点に1日4回運行しています。舟板一枚の下に三大急流のパワーと歴史ロマンを感じながら、民謡を朗朗(ろうろう)とうたい上げる舟頭さんと一緒に12キロ、50分の舟旅が満喫できます。料金は大人1970円、子ども990円。
私を村山に連れてって!!

「そば街道」発祥の地 新メニュー「バラ御膳」も

 20代の半ばを過ぎても食べ盛りの私。バラ鑑賞、サクランボ狩り、舟下りと楽しんだところで、すっかりお腹がすいてきました。山形といえばソバ、ソバといえば山形。そんなソバどころの山形にあっても、村山市はソバ通をうならせる名店がひしめいています。
 特に名店は三難所沿いに集中していて、13店からなる「最上川三難所そば街道」を結成しています。今でこそ「そば街道」は県内各地にありますが、発祥の地はここ村山。昔から農家が多かったこの地域では、大勢で農作業をした後に労をねぎらう「ソバ振る舞い」が盛んで、寒暖の差が大きい気候風土ともあいまって高度なソバ文化が発達したとされています。
 ソバだけじゃ物足りない、という人にお勧めなのが「道の駅むらやま」が今年から新しく考案した「バラ御膳」。バラと村山市周辺の地産地消にこだわった創作料理で、料金は1200円。食材にこだわっているだけに3日前からの予約が必要。
 メニューは村山牛のバラ肉の焼肉(ダジャレが笑えます)、山菜のおひたし、昆布巻きニシン、バラそうめん、味付けご飯、バラアイスの6品という充実の内容です。

スイーツも絶品!

 ソバや創作料理でお腹がいっぱいになっても、スイーツは別腹の私。村山市で知る人ぞ知る名店が「みつけま選果!虹工房」。プリン、マドレーヌ、ケーキなど、こだわりの素材を使ったスイーツのお店として口コミでおいしさが広まっていて、東沢公園で販売している「バラのほほえみ」も夢工房が製作しています。

私を村山に連れてって!!
食後は温泉ダイエット

 グルメを満喫して食べ過ぎたと感じた人、その足で「クアハウス碁点」に向かいましょう。最上川のほとりに立地するハイセンスなリゾート施設で、「温泉でダイエット」をウリにしています。
 屋内10種類の浴槽や屋外の洋風露天風呂などで心身の疲労を解消、専門トレーナーが一人ひとりの目的にあったダイエットを手伝ってくれます。
 料金は日帰り入浴の場合で大人250円、子ども100円。バラ公園入園券があると50円引きになります。洋風露天風呂は大人500円、子ども250円。宿泊も可能で、こちらは1泊2食付で8800円から。

お土産品も充実


 村山のお土産といえば何といっても「東園亭」の昆布巻!。明治天皇が村山市に行幸あそばされたおり、農民衆が献上したのがルーツとされ、村山市を代表する逸品として名を馳せています。
 原材料は北海道厚岸(あっけ)産の最高の昆布とニシンを使っていて、それを煮込むしょう油や砂糖も特注品。いわば究極の昆布巻です。
 ユニークなお土産もあります。中里工業は自社内で開設した「だちょう村」に約20羽のダチョウを飼育していて、地元の保育園児たちの遠足コースとしても親しまれているとか。
 そんなダチョウの肉は高タンパク、低脂肪、低カロリーというすぐれもので、村山のお土産品として人気急上昇中です。
私を村山に連れてって!!