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《おしえて!編集長》軽減税率・キャッシュレスのポイント還元って?

2019年9月13日
 10月1日の消費税率引き上げが半月後に迫りました。テレビや新聞などでも盛んに報じられていますが、これまでの引き上げ時に比べて今回は何だが内容がややこしそうで…。というわけで編集長に聞いてみました。
《おしえて!編集長》軽減税率・キャッシュレスのポイント還元って?

いよいよ半月後ですね。

 ついに2ケタ時代に 

 「そうだね。1989年4月に消費税が初めて導入された時の税率は3%。それが97年4月に5%、2014年4月に8%に引き上げられ、初めて導入から30年を経てとうとう10%と2ケタになるわけだ」
 「少子高齢化が進む中で、高齢者の医療費など社会保障の財源を確保するためというのが相次ぐ引き上げの理由。安倍晋三首相は『今後10年は10%以上に引き上げる必要はない』なんて言ってるけど、少子高齢化に歯止めがかからない以上、遅かれ早かれ更なる引き上げは不可避だろう」

今回はこれまでになく内容が複雑じゃないですか?

 軽減税率とポイント還元 

 「消費税率を引き上げる見返りに『軽減税率』と『キャッシュレス決済へのポイント還元』が初めて制度化されたからね。特に8%に据え置かれる軽減税率はケースによって判断が難しく、小売り現場や消費者を混乱させている」
 「そもそも軽減税率の対象は外食や酒類を除く飲食料品なんだけど、外食かどうかの判断が難しい。よくテレビや新聞で取り上げられているのは、コンビニで弁当を買った場合、そのまま持ち帰れば軽減税率の8%だけど、店内のイートインコーナーで食べれば外食に該当して標準税率の10%になるというやつ」

それは分かります。

《おしえて!編集長》軽減税率・キャッシュレスのポイント還元って?

 持ち帰りか、その場でか 

 「本来ならコンビニの店員が『持ち帰りですか? 店内でお食べになりますか?』と聞くところなんだろうけど、それはやらないみたい。客が『店内で食べる』と申告しない限り、持ち帰るものとして粛々と軽減税率が適用される」
 「何も申告しないでイートインコーナーで食べる客もいるだろう。そんな場合でも、見つけた店員が『お客さん、困ります。8%でしたが10%払ってください』とは現実的には言えないよね。ということでセブンイレブンなどコンビニ大手は『自己申告を信じて接客していく』という方針を決めてる」

山形新幹線の車内販売で「どまん中」を買った場合は?

 駅弁は軽減税率 

 「家に持って帰ろうが、座席で食べようが軽減税率。これは、新幹線の座席は主に食事をすることを目的に提供されている設備ではないという判断らしい。ただ豪華旅客列車の食堂車両で飲食する場合は軽減税率の対象外。同じように、映画館の売店で買ったジュースやポップコーンを観客席で飲み食いするのは軽減税率で8%だ」

飲料は酒類を除くんですよね。

ペットフードは対象外

 「そう。風味が近くてもノンアルコールビールやノンアルコール酎ハイは酒類ではないので軽減税率で8%。みりん風調味料は8%だけど、みりんは10%というのをお忘れなく」
 「あくまで酒類を除いて人が口にするものが軽減税率の対象。だから同じマグロの缶詰でもコミ太が食べるペットフードは10%、われわれが食べるシーチキンは8%だ」
 「ミネラルウォーターや氷は8%だけど、ドライアイスは10%。栄養ドリンクは『食品』と認められず10%、でも特定保健用食品や栄養機能食品は『食品』として8%。ここまでいくと、もはやクイズだね(苦笑)」

キャッシュレス決済のポイント還元も導入されますね。

 サービスにも適用 

 「10月から来年6月までの間、資本金5000万円以下、もしくは従業員50人以下の中・小規模店舗での買い物でクレジットカードや電子マネーで支払った場合は5%、コンビニでは2%のポイントが還元される。物品の購入だけじゃなく、外食やホテルといったサービス業を利用する際にも適用される」

 資本金5000万円 

 「ただ、資本金が5000万円超の大手スーパーや百貨店での買い物は対象外。現金化できる商品券やプリペイドカードなどを買う場合も対象外だ」
 「ここまでざっと説明したけど、軽減税率もポイント還元も初めて導入される制度だけに、10月以降は想定外の事態もいろいろ生じそうだね」