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医学のうんちく/EDと健康

2019年9月13日
 ED(勃起(ぼっき)不全)といえば誰しも「性交に支障が…」と考えがちですが、それだけではありません。重大な疾患が隠れているサインの可能性もあるのです。

加齢以外にも原因が

 EDは加齢とともに発症率が高まります。一般に40歳未満で1~10%、40歳代2~15%、50歳代15~40%、60歳代20~40%、70歳以上50~100%と推定されていますが、20歳以上の男性の約20%で発症するという報告もあります。
 注目点は加齢以外のEDの原因。肥満、高血圧、喫煙、糖尿病、メタボリック症候群などがあり、これらは心血管疾患(しんけっかんしっかん)と共通の危険因子です。

医学のうんちく/EDと健康

高まる心血管疾患リスク

 今年に入って英キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームが行った調査によれば、ED を発症すると心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)といった重大な心血管疾患を発症する確率が高まり、ED男性は非ED男性に比べて心血管疾患による死亡は1.43倍、早期死亡は1.26倍に増えているということが分かりました。
 またED男性は非ED男性に比べ、前立腺肥大症の発生率は1.33~6.24倍で、認知症は1.68倍でした。

各種調査で明らかに

 これに先立ち、ドイツの研究チームは2006年、EDを発症して平均3年で心血管疾患を発症すると報告しています。
 米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームも18年、60~78歳の877人のED男性と880人の非ED男性を対象に心血管疾患の発生について追跡調査したところ、ED男性の6.3%、非ED男性の2.6%に発生することを突き止めています。

身体全体の心配を

 EDは心血管疾患の危険因子にとどまらず、各種疾患の危険因子でもある可能性があります。
 EDの予兆を感じたら、下半身の心配だけでなく身体全体の具合を思いやりましょう。


医学のうんちく/EDと健康
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。