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<荒井幸博のシネマつれづれ>ダンスウィズミー

2019年8月9日
歌い踊る若者たち

 「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」「ボヘミアン・ラプソディ」と、このところ音楽が重要な役割をなす映画の記録的ヒットが続く。その意味で8月16日から公開される矢口史靖監督のミュージカルコメディ「ダンスウィズミー」に注目したい。

<荒井幸博のシネマつれづれ>ダンスウィズミー

 商社で働く鈴木静香は遊園地で出会った怪しげな老人に催眠術をかけられ、音楽が流れると歌って踊らずにはいられないようになってしまう。そのせいで会社のプレゼン会議をぶち壊し、憧れの先輩の前でも醜態をさらけ出してしまう始末。
 人生最大の窮地に陥った静香は催眠術を解いてもらおうと再び遊園地を訪れるが、“犯人”の老人は夜逃げした後。歌い、踊り続けながら老人を捜して日本中を駆け回る静香が最後に見つけた大切なものとは――。

 矢口監督といえば「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」など軽妙なコメディ作品で定評があるが、ミュージカルを手がけるのは初めて。脚本も担当した監督に話をうかがった。
 「もともとボク自身、急に歌ったり踊ったりするミュージカルには違和感がありましたが、この違和感から、ミュージカルなんかやったことがない、やりたくもない女の子がミュージカルをさせられる話を思いついた時、『これはイケるのでは!』と直感しました」

 自分の意に反して歌い踊らされてしまう静香役は三吉彩花。アイドルグループ「さくら学院」の元メンバーで、すべての歌と踊りを吹き替えなしで演じ、スター誕生の予感がする。
 日本のミュージカルの草分けで、御年85歳の宝田明が健在なのは嬉しい。宝田がスクリーンで歌い踊るのは実に55年ぶり。他に三浦貴大、ムロツヨシ、chay、やしろ優らが熱演している。
 「狙いうち」「夢の中へ」「年下の男の子」など70年代のスタンダードナンバーがちりばめられているのにも共感。
 あなたも思わず歌い、踊りだしたくなるはず。


<荒井幸博のシネマつれづれ>ダンスウィズミー
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(木曜12時)を担当。