新顔です。よろしく/乳がん
11人に1人が罹患
もちろん、乳がんにかかるのは有名人ばかりではありません。国内での乳がんの罹患(りかん)数は年間約8万人強で、女性の場合、2位以下の大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がんを抑えて第1位。今や日本人女性の11人に1人は生涯のうちに乳がんになる計算です。
乳がんが増えてくる年齢層も特徴的で、30代後半から徐々に増え始め、40代後半から50代前半にピークを迎えます。

生存率は高く
乳がんの死亡者数も年間約1万人強でこの30年で3倍に増えています。ただ意外ですが、罹患数は1位ですが、死亡者数では大腸がん、肺がん、すい臓がん、胃がんに続いて乳がんは5位です。
なぜ罹患数が第1位の乳がんの死亡数が第5位に抑えられているのでしょうか? これは他のがんに比べ乳がんの生存率が高いことが理由に挙げられます。
つまり、適切な時期に適切な治療を行えば最悪の事態は回避できる可能性の高いがんということになります。
早期発見・早期治療を
現在、乳がんの治療として最も一般的なのは、やはりその他のがんと同様、手術療法が基本になります。
そしてすべてのがんに言えることですが、高い生存率を得るためには早期発見・早期治療に務めることが大切です。
気になる症状があれば
何か気になる症状はありませんか? しこりが触れる、エクボのようなくぼみがある、下着が汚れるといった症状があれば、最寄りの医療機関を受診しましょう。「恥ずかしい」「まだそんな年ではないから」などとためらうのは禁物ですよ。


TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック医師
尾形 貴史
●(おがた・たかし)2007年山形大学医学部卒業。同大付属病院、公立置賜総合病院、山形済生病院、三友堂病院、山形県立中央病院などを経て現職。日本乳癌学会乳腺認定医。