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《セピア色の風景帖》 第131回 北山形駅東口

2019年7月12日
 JR北山形駅周辺は今でこそ閑散とし、ゴーストタウンのような様相をみせているが、往時は工場群に囲まれ、朝夕の通勤時間帯は労働者であふれていた。また仙山線経由で背負子のおばさんたちが塩釜の海産物を持ち込む入り口としても活気をみせていた。
《セピア色の風景帖》 第131回 北山形駅東口

 東口のシンボルともいえるのが小便小僧の像。1956年(昭和31年)の東口駅舎改築の際に駅前広場に設置されたものだが、その存在がいちやく有名になったのは翌年の冬からであろう。
 雪の中、裸の小便小僧を見た近くの山形女子専門学校の生徒らが「冬空に寒そう」と赤いマントを着せたのだった。以来、その時々の話題や流行を反映させた同校生徒らによる小便小僧の「衣替え」は風物詩にもなり、その都度マスコミにも取り上げられるようになった。

《セピア色の風景帖》 第131回 北山形駅東口

 その山形女子専門学校も生徒数の減少が続いて2015年(平成27年)3月に閉校、小便小僧が話題にのぼる機会もめっきり減った。
 東口、西口の駅舎も建て替えられて往時の姿はなくなってしまったが、小便小僧の小便だけは昔の勢いのままであるのが妙に可笑しい。 (F)