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あなたの目 健康ですか?/(135)緑内障になりやすい人

2019年7月12日
 緑内障の恐ろしさは過去に何度かお話してきましたが、そのせいもあってか外来の患者さんからよくこんな質問を受けます。「緑内障になりやすい人はいるのですか?」

ひとつではない原因

 緑内障は60歳を超えると10人に1人が罹患しているとされます。還暦を過ぎるとクラス会が頻繁に開かれるものですが、50人の集まりなら5人は緑内障にかかっているというイメージですね。
 そんな〝身近”な緑内障は、原因がひとつでない「多因子疾患」と言われています。複数の要因が重なりあって罹患するわけで、その要因・要件をみていきましょう。

あなたの目 健康ですか?/(135)緑内障になりやすい人

加齢・近視・遺伝

 緑内障は加齢に伴い増える病気ですので、当然ですが高齢の方。40歳を過ぎれば要注意です。
 次に近視の度数が3を超えるとそれ以下の人より緑内障になる率が上がるとされます。強い近視の場合は眼球が後ろに伸展し、神経線維が機械的に障害されて緑内障になりやいと考えられています。
 そして遺伝。血縁のある親族に緑内障の患者がいる人はリスクが高いことが分かっています。

それ以外の要因も

 これら3点はこれまでにも紹介しましたが、それ以外では偏頭痛持ちの方や、手先や足先が冷えやすい方も要注意です。
 また男性では痩せている方。痩せてることが何らかの経路で緑内障と関連しているとされます。
 糖尿病の方。糖尿病を指摘されてからの期間が長くなるほどリスクが高まると言われています。

当てはまる方は要注意

 今や人生100年時代。日常生活に支障のない視覚(視力、視野)を維持するため、今回のコラムで当てはまる方はお近くの眼科に相談してみてください。


あなたの目 健康ですか?/(135)緑内障になりやすい人
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院長
高橋 義徳
たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。