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医学のうんちく/肉食と精子力

2019年7月12日
 「肉食系男子」というと生殖能力が強そうなイメージですが、実際はどうなのでしょう?

赤身肉は逆効果?

 米ハーバード大学の研究チームが2014年、18~22歳の米国男性189人を対象に赤身肉の摂取と精子の質を調査したところ、意外にも赤身肉の摂取が多いほど精液量と精子数が減少することを突き止めました。

医学のうんちく/肉食と精子力

さらに詳しく調べると

 同チームは19年、18~23歳のスペイン男性206人を対象に赤身肉、鶏肉などの白身肉、加工肉、レバーなどの内臓肉、魚肉、貝類の摂取と精液の質および性ホルモン値の関連性を調査しました。
 ちなみに、最も摂取量が多かったのは加工した赤身肉(29%)で、以下は赤身の魚肉(22%)、白身肉(18%)、加工していない赤身肉(12%)、白身の魚肉(11%)、貝類(5%)、内臓肉(3%)でした。

効果的なのは貝類?

 調査によれば、赤身肉、白身肉、魚肉の摂取と精子の質および性ホルモン値との間に関連は認められませんでしたが、貝類の摂取と精子の運動率の間には正の相関性が認められ、内臓肉の摂取と精子の運動率の間には負の相関性を認めました。
 他の肉類の代わりに貝類を摂取した場合の精子の質の変化を調べたところ、内臓肉の代わりに貝類を摂取した時に精子の運動率が向上しました。

新語「貝食系男子」

 貝類にはオメガ3脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれており、この作用が精子の質を向上させるのではないかと考えられます。
 ただ、やはり多価不飽和脂肪酸を含有する魚肉類の摂取では精子の質は変わらないため、それ以外の要因も否定できませんが、生殖能力の強さをイメージさせる表現としては「肉食系男子」より「貝食系男子」の方が妥当なような…。


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山形徳洲会病院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。