徹底して山形に密着したフリーペーパー

古窯 代表取締役 専務・萬国屋 代表取締役 社長 佐藤 太一さん

2019年6月28日
佐藤 太一(さとう・たいち) 県内屈指の大型旅館「古窯」の跡取りとして1977年(昭和52年)に上山市で生まれる。日大山形高から日大商学部に進み、米国での語学留学を経て2000年に古窯入社。社長室長、常務、専務を経て17年に代表取締役就任。父親の信幸氏が会長、母親の洋詩恵氏が代表取締役社長を務める。19年2月、営業権を取得したあつみ温泉(鶴岡市)の老舗旅館「萬国屋」の社長も兼ねる。41歳。
古窯 代表取締役 専務・萬国屋 代表取締役 社長 佐藤 太一さん

あえて挑んだ萬国屋の経営
  復旧を急ぎ再生を目指します

――18日の地震で萬国屋にも大きな被害が。

復旧に向け昼夜兼行

 「屋根の一部が落下、水道管の破損で水漏れも発生しました。お泊りいただいていた148名のお客様にはロビーに避難していただき、その場に布団を敷いて夜を明かしてただくという不自由もおかけしてしまって」
 「繁忙期だけに打撃ですが、お客様の安全が第一。即座に今月末までの休業を決め、現在は私が先頭に立ち昼夜兼行で復旧に取り組んでます」
――営業譲渡を受けて早々に修羅場が来た。
 「これも天が与えてくれた試練と受け止め、歯を食いしばって頑張るしかない。社員の士気も高く、何とか7月1日までには営業再開にこぎつけたいです」
――社長として萬国屋はもちろん、古窯でも事実上のトップと聞いてるけど。

まず社風改革から

 「若輩者ですが、県内の温泉旅館業界は代替わりの時期を迎えていて、同業他社のトップもほぼ同世代。私の場合、会長の父と、社長の母にお伺いをたてながらですけど、一応すべてを任せてもらってます」
 「まず着手したのが社風改革で、どちらかといえばトップダウンだったのをボトムアップに変えようと。そのうえで『守る』から『攻める』に大きくカジを切ってます」
 「グループ全体の社員数はパートを含め約550人。高卒や大卒の新入社員を増やしていて、平均年齢は32歳前後でしょうか。私も含め若い世代の力を結集し、チームワークを生かした組織を目指しています」

新規投資を次々と

――確かに「最近の古窯は変わった」「攻めてる」という声を聞く。
 「上山市河崎にあったNTTの保養所を取得して『おやど森の音』を開業したのが3年前、黒沢温泉(山形市)の『悠湯の郷ゆさ』をリニューアルしたのと、上山市葉山で県内初のプリン専門店の営業を始めたのが去年。今年5月には本館の4分の1を大規模改装してオープンしました」
――そして萬国屋!
 「決断までには悩みました。でも古窯グループの目標は全国や海外に山形のファンを増やすことにあり、そのためにも伝統ある萬国屋さんを加えればグループの魅力や将来性も増すのかなと」
 「萬国屋では団体客から個人客への対応が急務。そのうえで湯量が豊富で海も川も緑もあるというメリットを生かし、地域の人たちと萬国屋を含めたあつみ温泉の再生を目指したいですね」 

維新の血がたぎる?

――お母さんは確か山口県の出身だから。
 「半分は長州、維新の血が流れてます(笑)」