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内科あれこれ/熱中症

2019年6月28日
 そろそろ熱中症に注意が必要な季節になりました。熱中症はその重症度によって3段階に分類されます。

1度→涼しい場所に

 最も軽い1度の症状はめまい、立ちくらみ、大量の発汗、こむら返りなどです。この段階での処置は、屋外なら風通しがよく涼しい場所に移動するのが第一で、運動や作業は中止しましょう。
 屋内なら扇風機やエアコンで室内の温度を下げ、冷たい水やスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給してください。特に高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくいので注意が必要です。
 これらの処置でも症状が改善しない場合は救急車を呼びましょう。

内科あれこれ/熱中症

2度→医療機関を受診

 2度になると頭痛、吐き気、倦怠感(けんたいかん)や虚脱感、集中力が低下してボーッとするといった症状があらわれます。これらの症状があれば迷うことなく医療機関を受診してください。

3度→命にかかわります

 最も重い3度となると明らかな意識障害、けいれん、話しかけても返事がおかしい、まっすぐ歩けないといった状態になります。
 肝臓や腎臓の障害がおこり、生命にかかわる状況です。すぐに救助要請をして医療機関に搬送する必要があります。

初夏に要注意

 環境省の「熱中症環境保健マニュアル」によれば、熱中症は「体内の水分や塩分の減少や、血液の流入が滞るなどして体温が上昇し、重要な臓器が高温にさらされて発症する障害の総称」と定義されています。
 熱中症は暑さに慣れていない初夏に多いとされ、山形でも昨年は500人以上が救急搬送されたとか。夏本番を迎える前にもう一度熱中症について考えてみましょう。


内科あれこれ/熱中症
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。