あなたの目 健康ですか?/(134)健診結果は?
若者に多い視力低下
学校での健診で多く指摘されるのは何といっても視力低下でしょう。勉強やスマホのゲームなどでお子さんの目は酷使され、視力低下→近視が進みがちになります。
本やスマホは30センチより近くで長時間みていると近視になる赤ランプ。ある調査では高校生までで60%以上の人が眼鏡、コンタクトでの矯正が必要という結果が出ています。

視神経乳頭陥凹とは
大人の方の健診結果で注意が必要なのは眼底写真で判明する「視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大」。聞きなれない用語でしょうが、簡単にいえば視神経線維の数が減っている可能性が高いということです。
視神経線維の数が減る代表的な病気は緑内障です。つまり、視神経乳頭陥凹拡大と診断された場合、緑内障の疑いがあるということなのです。
恐ろしい緑内障
緑内障の恐ろしさはこれまでにも度々お話してきたように、日本人の途中失明原因の第1位。しかも自覚症状がなく、気づいた時には手遅れになっているケースが多いという厄介な病気です。
失明だけでなく、緑内障による視野・視力障害は健康寿命にも影響します。
しかも40歳以上の20人に1人、70歳以上の10人に1人にみられるという、実は身近な病気なのです。
早期発見で治療を
そんな緑内障も早期に発見できれば点眼薬で進行を止めることが可能です。健診で視神経乳頭陥凹拡大を指摘されるのはむしろ幸いで、指摘された方は必ず眼科を受診して適切な処置を受けましょう。


院長
高橋 義徳
●たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。