真理子先生の女性のミカタ/子宮頸管ポリープ
2019年6月14日
子宮がん検診で「子宮頸管(けいかん)ポリープ」を指摘された方はいらっしゃいませんか?
過度の心配は無用
子宮頸管ポリープは子宮の頸管の表面が盛り上がり、子宮の外まで垂れ下がってくる病気です。大半が無症状ですが、不正出血や性交後出血で受診し、その原因が頸管ポリープだったということもしばしばあります。
大きさは米粒大から親指頭大まであり、診察時に視診で診断されます。
診断された際には婦人科での受診を勧められるため、不安を抱かれる方も多いでしょうが、結論から言えば過度の心配はご無用です。がんなど悪性のものに変化することはほとんどありません。

治療は簡単
治療は通常、ポリープが小さければ外来内診室で入院や麻酔の必要もなく、器具でポリープをねじり取ります。まれに根っこが太い場合や子宮内の奥深くに発生している場合はレーザー焼却、電気焼却などの処置となり、入院が必要になります。
摘出したポリープは極めてまれですが、がんのこともありますので病理検査に提出します。
病理検査の結果、悪性の部分がなく最終的に「子宮頸管ポリープ」と診断されれば安心です。
ただ良性のポリープでも数年後に再発することがあります。
子宮膣部びらん
また子宮がん検診で「子宮膣部(ちつぶ)びらん」と診断されることもあります。子宮の出口が柔く多少ただれていたり、出血しやすいとみられる場合が該当します。これも本来は病気ではなく、女性ホルモンが活発な時期に多くみられる状態です。
膣が赤く、おりものが汚れていた場合や、多い場合は病院で病原体などを調べて適切な薬で治療してもらうと落ち着くことでしょう。


伊藤真理子
● (いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。