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医療法人社団・清永会 理事長、矢吹病院 院長 矢吹 清隆さん

2019年5月24日
矢吹 清隆(やぶき・きよたか) 1955年(昭和30年)に仙台市で生まれ、3歳から山形市に。山形東高から順天堂大医学部に進み、卒業後、同大第一外科、同大伊豆長岡病院などを経て2003年、祖父・清氏が開院し、父・清一氏が継いだ矢吹病院(山形市本町)へ。翌04年2月から院長。以後、医療法人社団・清永会理事長として「天童温泉矢吹クリニック」「くわのまちデイサービス」「矢吹嶋クリニック」を開院。6月1日には「南陽矢吹クリニック」を開院予定。63歳。
医療法人社団・清永会 理事長、矢吹病院 院長 矢吹 清隆さん

医療行為はサービス業
  士気高め顧客満足度を追求

――矢吹病院といえば人工透析治療が有名で。   

時代の要請で透析に

 「腎臓(じんぞう)が働かなくなった患者さんの血液を人工的に浄化するのが透析で、患者さんは週3回、1回4時間の治療は必要。村山地区の患者総数は約1200人で、そのうち半分の約600人が施設に来られてます」
 「祖父が昭和8年に本町で開業した当初は外科病院でしたが、外科だけじゃ食べていけないということで、父が52年に病院内に透析室を開設したのが始まりです」
 「透析に特化して設備投資を重ねていた矢先、父が脳梗塞(のうこうそく)で倒れて私が呼び戻されて。私は透析専門医ではありませんが、優秀なスタッフに恵まれ、時代の要請もあって今に至っています」
――時代の要請って?
 「公立病院が透析を縮小するようになったんですよ。公立病院ってホラ、救急患者や重症患者を優先する使命があるじゃないですか。そうなると定期的に病床を使う透析は負担で、患者さんが専門病院を求めてうちに来られるわけですね」   

4施設目を南陽に

――本部は嶋に移ったんですね。うちは近所です。
 「本町が手狭になったので、それ以前にあった『矢吹嶋クリニック』を増床して6年前に移転しました。本町の旧矢吹病院は解体し、同じ場所に『本町矢吹クリニック』を新築して昨年5月に開院したんですね」
 「透析施設としては山形市の2つと、天童市の1つ。この3ケ所に加え、6月には南陽市の赤湯駅西口近くに『南陽矢吹クリニック』を開院する予定です」
 「かねて南陽市からは開院要請をいただいていましたが、余裕がなかったこともあって延び延びになってたんですね。でも公立置賜南陽病院が近く透析治療をやめるということで、社会貢献の意味でもやるしかないと」 

福利厚生にも力

――でも今の時代、人集めも大変でしょ?
 「うちはね、福利厚生にも力を入れているんですよ。1週間連続の休暇を奨励してるし、研修の名目で定期的な海外旅行や育児支援手当てなんかも導入してます。医療行為はサービス業。やっぱり働く人の士気が高くないと顧客満足度は上げられませんよ」

患者さんとむき合う姿勢

――透析ではつい最近、女性患者に医師が治療をやめる選択肢を示し、治療中止を選んだ女性が直後に死亡する事件がありました。
 「各方面に議論を投げかけましたね。難しい問題をはらんでいますが、やっぱり患者さんに対する説明不足があったんじゃないかなあ。医師と患者さんがキチンと向きあうこと、これが医療の基本だと思います」