内科あれこれ/花粉症の免疫療法
2019年5月24日
毎年のように花粉症に悩まされている人も多いはず。今年の花粉の飛散はピークを過ぎましたが、来年以降に備え、この時期から始める花粉症対策が「免疫療法」です。
抗ヒスタミンの副作用
免疫療法のお話をする前に、一般的な花粉症治療には症状を引き起こす原因である体内のヒスタミンの働きを妨害する「抗ヒスタミン剤」が多く使われます。
抗ヒスタミンには他の薬も入っている配合剤なども含めると40種類以上あり、どれがいいかは一概に言えませんが、眠くなるという副作用に注意が必要です。このため服用しての車の運転は避けるべきでしょう。

花粉を入れて体質改善
毎年こんなことを繰り返すのも考えもので、そのために登場したのが免疫療法です。具体的にはスギ花粉の成分を体に入れ、体質を改善することで症状を和らげるという治療法です。通常、花粉成分を舌下(舌のうら)に投与する方法がとられています。
治療開始「今でしょ!」
治療開始は花粉が飛ばない6月から12月までが推奨されています。ただ、翌年から効果を感じる人がいるものの、体質改善には2年以上かかるケースもあります。
使いやすい錠剤も
これまでは薬剤を冷所保存しなければならず、開始1週間はこまめに投与量を増やす必要がありましたが、最近では管理も簡単で投与量も増やせる錠剤が開発されています。
最近は子どもの花粉症が増加傾向にありますが、この錠剤はこれまで使えなかった12歳未満の子どもにも使用可能ですので、症状があるお子さんをお持ちのご両親は小児科や耳鼻科の先生に相談してみてはいかがでしょうか。


きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。