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もう怖くない認知症/患者さんとの「以心伝心」

2009年9月11日
 認知症の患者さんの多くは認知機能の低下をきたしていて、言葉の理解不足から会話が成り立たないことがあります。また高齢者特有の聴力・視力低下も重なり、ますますコミュニケーションが困難になりがちです。

大切なスキンシップ

 ですが、認知症患者さんと良い関係を築くためには自分が患者さんの味方であることを伝える必要があります。こうした場合、最も効果的な情報伝達の方法は手で触れること、つまり触覚を用いた方法ではないかと私は考えています。
 以前に紹介したように患者さんの足を洗ってあげる、背中や肩にそっと触れてあげる、優しく手を握ってあげる——。これらの行為は自分が患者さんの味方であることを直接伝える素晴らしい方法だということが証明されています。

もう怖くない認知症/患者さんとの「以心伝心」

心から愛情を持って

 この方法で最も重要なことは、心からあなたのことを大切に思っていますよというメッセージを込めた気持ちで患者さんと接することです。少しでも偽りの気持ちがあれば良い結果を生まないばかりか、場合によっては逆効果になることもあります。「以心伝心」という言葉がありますが、これこそが認知症患者さんとのコミュニケーションの極意なのです。
 
患者さんの脳に良い刺激を

 認知症患者さんに言葉で説明をしようとして伝わらず、思わずイライラして「何回言ったらわかるの」などと言ってしまいがちです。こうしたマイナスのメッセージを伝えてしまうと患者さんがどう反応するかはこれまでにお話しましたね。
 それよりは触れることを通じて良い刺激を脳(大脳辺縁系・だいのうへんえんけい)にたくさん送り込むことです。驚くべきとてもうれしい反応が患者さんから返ってくることでしょう。


もう怖くない認知症/患者さんとの「以心伝心」
藤井 昌彦(ふじい・まさひこ)
秋田県能代市生まれ。1983年弘前大学医学部卒業。山形県立河北病院などに勤務後、99年に医療法人東北医療福祉会理事長。日本老年医学会、日本認知症ケア学会に所属。東北大学医学部臨床教授も務める。