あなたの目 健康ですか?/(133)平成のコンタクト進化
2019年5月10日
令和になって初めての拙コラムです。振り返れば、平成の御代(みよ)は眼科医療の進歩が目覚ましく、中でも劇的な進化を遂げたのはコンタクトレンズと言えるでしょう。
使い捨てが主流に
今でこそコンタクトの主流は使い捨てのワンデーかツーウィークですが、昭和の時代はハードかソフトかの選択肢枝しかありませんでした。ソフトも消毒しながら1年前後使うのが〝常識”とされていました。
ソフトの使い捨てが登場するのは平成に入ってからです。

酸素を通し、乱視用も
素材の面でも平成に入ると酸素透過性が高く、目の負担を軽減するシリコーンハイドロゲルが登場しました。これによってドライアイの方にもよりよい装用感が提供できるようになったのです。
また昭和時代は乱視用はハードコンタクトが主流でしたが、乱視用のソフトが登場、使い捨てのトーリックレンズが使われるようになるのも平成からです。
トーリックも登場
老眼に対応した遠近タイプの使い捨てソフトも登場しましたが、乱視矯正もできるタイプのレンズは直近までありませんでした。
そのため乱視がある老眼の方は、近視用眼鏡を併用したり、片目を遠く、もう一方を近くに合わせたモノビジョンで対応したりする必要があり、コンタクトは敬遠されがちでした。
それが令和に入る直前、トーリックタイプの遠近ツーウィークが新登場しました。
進化は続くはず
平成時代に大きく進化したコンタクト、令和時代もさらに快適な見え方ができるよう進歩すると思われます。利用をお考えの方は、最寄りの眼科医に相談してみては?


プロフィール
● (たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。