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医学のうんちく/妊活サプリの効果

2019年5月10日
 子どもが欲しいのに妊娠できないカップルは10組に1組とか。そのうち半数が男性に原因があるとされ、精子力アップをうたったサプリメント(妊活サプリ)が出回っています。
 イギリスの研究チームは2019年、1990~2017年に報告されたサプリメントと精液所見についての連関性を解析してサプリメントの有用性を公表しました。

ビタミン、カルニチン

 水溶性ビタミンで抗酸化作用のある「ビタミンC」や、脂溶性ビタミンで酸化ストレスを防ぐ「ビタミンE」は、精子の形態や運動力を改善したものの、精子数の増加には至りませんでした。
 エネルギーを産生するために体内の脂肪を燃焼できるよう支援するアミノ酸「L-カルニチン」は精子数と運動力を改善したものの、精子の形態は改善できませんでした。

医学のうんちく/妊活サプリの効果

亜鉛などは効果

 抗酸化作用があり、心機能の改善にも有効である「コエンザイムQ10」は、精子数、運動力、形態の改善と関連付けることができました。
 局所の血流を改善する「ペントキシフィリン」も精子数、運動性、精子の形態を改善しました。
 性ホルモンの合成や精子の生成に深く関与する必須微量元素「亜鉛」は精液量、精子数、精子運動性を改善しました。
 
妊娠の可能性までは?

 これらのことから、いずれのサプリメントも精子力の向上には何かしらの効果があるようです。ただ大半の研究は精子の質の変化しか調査しておらず、パートナーを妊娠させる可能性が高いかどうかまでは踏み込んでいません。
 そのため、サプリメントの服用が妊活に有効であるかどうかは結論を導くことができませんでした。

試す価値はありそう

 それでも、いろいろなサプリメントを試してみる価値はありそうです。


医学のうんちく/妊活サプリの効果
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次
プロフィール
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。