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内科あれこれ/胆のう結石

2019年4月26日
 胆石はできる場所によって「胆のう結石」「胆管結石」「肝内結石」の3つに分類されますが、全体の約8割までを胆のう結石が占めています。

コレステロールが結晶化

 胆のうは、肝臓がつくった胆汁を溜めておく保管庫の役割をします。食べ物が胃で消化されて十二指腸に入ると、胆のうから十二指腸に胆汁が流れていき、主に脂質の吸収にかかわります。
 胆汁の成分はコレステロール、ビリルビン(胆汁色素)、胆汁酸などで、脂質の過剰摂取などを続けていると胆汁の中のコレステロールの量も増加し、過剰なコレステロールが結晶化して結石になってしまうのです。

内科あれこれ/胆のう結石

症状は右アバラ下の痛み

 胆のう結石の症状として多いのが、右のアバラの下の痛みです。食後1~2時間後に、この症状を感じたら胆のう結石を疑ってくさい。
 重症化すると細菌感染を伴い、胆のう炎となります。痛みに伴い高熱が見られ、時には黄疸が出現します。
 この場合には、緊急処置が必要となることもあるので早めに救急病院を受診しましょう。

治療が必要な場合も

 診断は腹部エコーを使うのが一般的ですが、必要に応じてCTやMRIを使います。痛みを伴わない場合は経過観察で十分です。
 ただ、前述のような痛みを伴う場合や、痛みがなくても胆のうが結石でいっぱいになっていたり、胆のうがんが否定できない場合には治療が必要です。

摘出手術も選択肢

 治療には飲み薬で石を溶かす方法と、音波による衝撃で石を壊す方法があります。それでも石が除けない場合は腹腔鏡による胆のう摘出手術が選択肢になります。


内科あれこれ/胆のう結石
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。