MTM、ななっく(盛岡市)を閉店/大沼の先行きに懸念も
2019年3月8日
百貨店の大沼(山形市)の経営再建に当たっている投資ファンド、マイルストーンターンアラウンドマネジメント(MTM、東京、早瀬恵三社長)が運営する盛岡市の商業施設「Nanak(ななっく)」が6月2日で閉店する。MTMは昨年2月にも兵庫県姫路市の百貨店「ヤマトヤシキ姫路店」を閉鎖しており、県内では大沼の先行きを懸念する声が広がっている。

地元紙などの報道によれば、閉店の理由としてMTMは、慢性的な赤字とMTM自体の経営悪化を挙げているという。早瀬社長は記者会見で大沼の再生について「固有の事情があり、われわれの努力とは違う次元で信用を失わせるような事態が起きている」と述べたとされる。
MTMは2011年に経営破たんした青森市の百貨店「中三」の盛岡店を引き継いで12年からNanakとして運営しているが、14年から17年まで4期連続で年間2000万円台の赤字を計上、18年2月期は赤字が2億8000万円まで膨らんでいた。
MTMは15年、経営再建を目指すヤマトヤシキの支援にも乗り出したが、赤字幅はむしろ以前より拡大。ヤマトヤシキ発祥の姫路店を昨年2月末で閉鎖している。
こうした事態に県内では大沼の先行きを懸念する声が広がっている。17年末、MTMが大沼の経営再建に名乗りを挙げた当初に表明していた店舗の改装や食品へのシフトは手つかずのまま。2月20日には佐藤孝弘市長が市民に「買い物をして大沼を応援して欲しい」と呼びかける異例の事態になっている。