女性の美と健康/エストロゲン
女性らしさを演出
エストロゲンは8~9歳から卵巣で分泌されるようになります。思春期においては乳房の成長など女性らしい丸みを帯びた体づくりを助け、子宮や膣の発達を促します。
生理や妊娠・出産にも密接に関わっており、閉経を迎える50歳前後まで、生理の周期ごとに分泌量の増減を繰り返します。

健康づくりにも貢献
エストロゲンは脳や自律神経に作用し、様々な働きで女性の心身を守ってくれるのも特徴です。
髪や肌の潤いを保ったり、丈夫な骨を維持したり、コレステロール値の調整をしたり、動脈硬化を防いだりするのもエストロゲンの働きによるものです。
分泌がなくなると
更年期を過ぎて老年期を迎えるとエストロゲンの分泌はほとんどなくなります。
すると女性を意識する気持ちが減退するほか、髪が抜けやすくなったり、肌がカサついたり、骨粗しょう症になったり、悪玉コレステロールが増えて高脂血症になったり…。
規則正しい食生活を
このように女性の美と健康にエストロゲンは欠かせませんが、思春期から老年期までに分泌されるエストロゲンの量は何とティースプーン1杯分なのです!
このほんのわずかのエストロゲンで女性の一生が左右されるというのも驚きですね。
エストロゲンを増やす目的で様々な健康補助食品やサプリメントが登場していますが、大切なのは規則正しい食生活。将来に備えて30~40歳代からの対策が大事です。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。