内科あれこれ/C型肝炎
2019年1月25日
最近、外来で初めてC型肝炎と診断した患者さんがいらっしゃいました。
2次検査で判明
その患者さんは50代の男性。数年前から会社の検診で肝機能の低下を指摘され、2次検診を勧められて当院を受診したとのことでした。
お酒は飲まれますが、それほど大量ではないらしく、過去に詳しい検査を受けたことがないとのことでしたので念のため肝炎の検査をしました。するとB型肝炎は陰性でしたが、C型肝炎ウイルス抗体が陽性で、C型肝炎が強く疑われたため総合病院を紹介しました。

肝硬変から肝がんに!
そもそもC型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症します。日本では輸血や手術による感染のほか、血液製剤「フィブリノゲン」の投与による感染が大きな社会問題になりました。
C型肝炎に感染しても初期症状はなく、放置しておくと肝硬変や肝がんに進行してしまいます。日本には推定で200万人の感染者がいるとされており、多くの方が感染に気付いていないとされます。
初期治療法も確立
ちなみに私が医師になったころC型肝炎という言葉はなく「非A非B肝炎」などと呼ばれていました。C型肝炎の存在が初めて確認されたのは1988年のことです。
それが今ではインターフェロンでの治療を超えて、内服薬(直接作用型抗ウイルス薬)だけでほとんど副作用もなく治る病気になりました。
一度は検査を
初期症状がないと申し上げたように、特に50歳以上の方で肝機能の異常を指摘され、今まで肝炎ウイルスの検査を受けた記憶のない方は検査を受けてみてください。


きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。