あなたの目 健康ですか?/(129)隠れ遠視
2019年1月11日
「若いころは視力がよくてメガネを使ったこともないのに、最近は目が疲れやすくて…」という方はいらっしゃいませんか?そんな方はご注意を。「隠れ遠視」かもしれませんよ。
見えない調節力
そもそも遠視とは、近視と同様、目の異常屈折のひとつです。
人間の目は物をはっきり見るため水晶体がピント合わせの働き(調節)をしています。一般に遠視といえば「遠くが見える目」と誤解されがちですが、日常生活において遠視は遠くにも近くにもピントがあっておらず、強い調節が必要です。
特に子どもの場合は調節力が強いため遠視に気づかないことが多く、大人になっても放置されたままになりがち。これが隠れ遠視の原因になっています。

眼精疲労の原因にも
職場や家庭でスマホやパソコンと向き合う機会が増えているはず。ただでさえ目にとっては厳しい環境なのに、隠れ遠視にとってはさらに過酷なことになります。
遠くを見るために調節力を使い、さらに近くを見るために調節力が必要になるからです。隠れ遠視の分だけ常に目の調節力を余分に使っているので、目は休まる暇がありません。
放っておけば、物を見ているだけで目の疲れや痛みを感じたり、頭痛や吐き気を生じる「眼精疲労」にもつながってしまいます。
近視の過矯正も
近視の場合も、メガネやコンタクトレンズを選ぶ際に見え過ぎる「過矯正」を行ってしまうと遠視のような状態になり、疲れ目の原因になります。
眼科医に相談を
心当たりのある方はお近くの眼科医に相談してみてはいかがですか?


プロフィール
● (たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。