空港ターミナルボウル(東根)閉店へ/設備老朽化で 46年の歴史に幕
2018年12月14日
東根市の国道13号沿いにあるボウリング場「空港ターミナルボウル」が来年3月31日で閉店する。県内有数の規模を誇り、〝飛行機の見えるボウリング場〟として多くの市民から親しまれてきたが、設備の老朽化などで経営会社が営業継続を断念、46年の歴史に幕を下ろす。

空港ターミナルボウルのオープンは日本中がボウリングブームに沸く1972年。陸上自衛隊神町駐屯地や大森工業団地に近い地の利をいかして多くの団体客を集め、最盛期の休日には2~3時間待ちが当たり前だったという。
レーン数は40と県内では山形市の「山形ファミリーボウル」の52に次ぐ規模。全レーンが維持・管理に手間がかかる昔ながらの木製で、全日本ボウリング協会の公認レーンとして数多くの全国大会も催されてきた。
だがレジャーの多様化やリーマンショック、東日本大震災などの影響で客足は減少。一方で築50年近くが経過して設備の老朽化が進み、耐震工事や付随する設備更新工事などで多額の費用がかかることから同名の運営会社が閉店を決めた。
須藤政美社長は「続けて欲しいという要望もいただいているが、新たに投資しても回収できる見通しが立たない。余力があるうちにと決断した」と話す。
山形空港に近い同ボウリング場は飛行機が見えるボウリング場として親しまれ、巨大ボウリングピンの噴水、入り口付近に配置されたポルシェ2台とトラの剥製がシンボルだった。30年以上通っているという天童市の高橋進一さん(49)は「レトロな雰囲気が好きだったので寂しいですね」と閉店を惜しむ。
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日本ボウリング場協会によると、全国のボウリング場の数は最盛期だった72年の3697から現在は758に減少、県内でも54から7に減った。
ただ、ここ数年はブーム時を知るシニア世代の取り込みや、プロを招いて若い世代の誘客を図るなど業界もチエを搾っており、人気に盛り返しの兆しもあるという。