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ル・ベール蔵王 社長・女将、やまがた女将会 会長 川﨑 禮子さん

2018年12月14日
川﨑 禮子(かわさき・れいこ) 1945年(昭和20年)11月、蔵王温泉で160年続く老舗土産物店「緑屋」に生まれる。蔵王2中から山形西高に進み、青山学院大法学部卒業後、24歳で結婚、南陽市で専業主婦に。2人の娘を育てながら93年、実家が蔵王温泉で建設したリゾート施設「ル・ベール蔵王」の社長兼女将に就任。2015年から県内温泉旅館の女将で組織する「やまがた女将会」の会長を務めるほか、県スキー連盟の理事も。73歳。
ル・ベール蔵王 社長・女将、やまがた女将会 会長 川﨑 禮子さん

地元から愛されることが大切
 お客さまにも従業員にも愛情を

――ボクも酉年(とりどし)のサソリ座なんですよ。
 「いやだ、ひと回り下でしょ?歳はとりたくないわよね、アハハ」

実家は江戸期に創業

――ご実家が老舗で。
 「江戸時代の造り酒屋から始まり、明治以降はこの辺り一帯の庄屋をやっていて蔵王では最も古い家じゃないかしら。他所(よそ)からお嫁さんやお婿(むこ)さんをもらわない土地柄だったから、高見屋さん、おおみや旅館さん、若松屋さん、松金屋さん、みんな親戚ばっかりよ」
 「旧姓は齋藤です。蔵王では齋藤(斎藤、斉藤)、佐藤、堀、岡崎、伊藤(伊東)姓がほとんど。ただ私が嫁いだ先は南陽の川﨑電気(現かわでん)の創業者一族」
――へ―!川﨑電気といえば県内初の上場企業。だから川﨑さんなんだあ。
 「実家を継いだ兄が日帰り温泉の『源七露天の湯』やここをやってたのね。その兄が体を壊し、川﨑電気も経営難になったので一家で蔵王に移り、ここを任されることになったわけ。『ル・ベール』はフランス語で実家の『緑』の意味です」

スキー熱去って苦労も

――亡くなった岡本太郎さんの定宿だったとか。
 「一緒によくスキーを滑りました。私たち夫婦の仲人も、2人の娘の名付け親も岡本さんです」
――でも専業主婦がいきなり社長・女将になって。
 「それは苦労もありましたよ。引き受けた時はバブル崩壊の直後。まだスキーブームが続いていて、蔵王にも官公庁や企業の保養所が30件はあったかしら。それが今は全滅でしょ。一生懸命やれば何とかなると思ってたけど、まさかもっと悪くなるなんてね(苦笑)」
 「スキーブームが去った後、トレッキングが人気になって安いバスツアーが押し寄せた時期もあったけど、燃料代が高くなってからはバッタリ。今はインバウンドに支えられてますね」

サービスの意味とは

 「でも蔵王からいったん離れ、サービス業から身を引いていたことで、蔵王の閉鎖的なところが目に付いたり、サービスの本当の意味がわかったような気もします」
 「大切なのは地元から愛されること、お客さまにも従業員にも愛情を持って接することです」
――みんな自分のことで手一杯のはずなのに、女将会も束ねられて。

みんなでまとまって

 「初代が滝の湯の山口隆子さん、2代目が古窯(こよう)の佐藤洋詩恵さんで、私が3代目。会員数は48人。苦しい時こそみんながまとまらないとね」
――クセのある女将さんもいたりして(苦笑)
 「外の人が面白おかしくいうこともあるけど、みんないい女将さんばっかりよ、ハハハ」