徹底して山形に密着したフリーペーパー

県内酪農事情

2018年8月24日
 ひところ家庭用チーズの値上げが話題になりましたよね。聞くところによれば、チーズなど乳製品の原料になる生乳が全国的に不足しているんですって。山形は高級和牛の産地として知られますが、酪農事情はどうなっているのかしら。
県内酪農事情

担い手不足が深刻化

 まず全国的な生乳不足の実情から調べてみました。農林水産統計によれば、2017年の生乳生産量は16年比0・7%減の729万トンで、ピークだった1996年の865万トンと比べると16%減っています。
 原因として挙げられているのが農業と同様、担い手不足。「儲からない」というイメージに加え、牛の世話を毎日する必要がある、悪臭の発生などで近隣とトラブルになるといった理由から、後を継ぎたがらない人が多いのだとか。

全国、県内で酪農家減少

 実際、96年に全国で4万1000戸あった酪農家の数は直近では1万5700戸、つまり半分以下に減っています。
 そんな事情は山形も同じ。酪農家は置賜地区に多いようですが、県内全体の酪農家の数はピーク時の1800戸から253戸に減っていて、それを受けて生乳生産量も10万9500トンから6万6200トンに減少していました。

県内酪農事情

生乳の6割が県外に

 県内の生乳がどういうルートで消費者に届けられるかを調べてみると、全体の6割が県外に販売されていることが分かりました。特に明治乳業、森永乳業、雪印メグミルクなどの大きな工場がある関東圏や宮城県に送られるケースが多く、そこで牛乳、チーズやバターなどの乳製品に加工されているようです。
 これら大手ブランドの牛乳は県内のスーパーなどで売られていますが、使われている生乳が実は山形産というケースもあり得るわけですね。

4割が県内

 残りの4割が県内の乳業メーカーに販売され、牛乳として出回っていることも突き止めました。県内にある乳業メーカーは9社で、内陸の場合、奥羽乳業協同組合(河北町)、後藤牧場(やまべ牛乳、山辺町)、サンコー食品(山形市)、城西牛乳(同)の4社が県産生乳だけを使って牛乳をつくっています。
 ヤマラクフーズ(南陽市)は乳業メーカーではありませんが、県産生乳を使った牛乳だけを販売しているそうです。

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どちらを選べば

 では大手ブランドの牛乳と、県産牛乳との味の違いはというと、こればかりは好みがあって、どちらがどうということは言えないようです。ただ県外輸送の日数がかからない分、県産牛乳の方が概して新鮮だとはいえるそうです。
 また県外輸送の費用は酪農家が負担する仕組みになっているらしく、酪農家にとっては県内で消費される方が実入りは増えるのだとか。

県内酪農事情

消費拡大がカギ

 というわけで、窮地の県内酪農を救うには県産牛乳ということになりそうですが、それよりも、みんながもっと牛乳を飲めば国内の酪農がハッピーになれるということなんでしょうね。