徹底して山形に密着したフリーペーパー

ながまち荘 施設長・県老人福祉施設協議会 会長 峯田 幸悦さん

2018年8月24日
峯田 幸悦(みねた・こうえつ) 1957年(昭和32年)山辺町生まれ。山形中央高から東北福祉大社会福祉学部に進み、同大卒業後の80年、社会福祉法人・恩賜財団済生会支部山形県済生会へ。同会系の特別養護老人ホーム「愛日荘」生活指導員を経て2005年に同会系の特別養護老人ホーム「ながまち荘」施設長に就任。介護・福祉現場を知る第1人者として13年から県老人福祉施設協議会会長、17年から全国老人福祉施設協議会副会長も務める。60歳。
ながまち荘 施設長・県老人福祉施設協議会 会長 峯田 幸悦さん

絶えず先手を打ち組織を改革
  「N式介護」を世界に向け発信

――介護の分野の〝革命児〟と伺ってます。

社会奉仕を目指して

 「大学を卒業して済生会の試験を受けた時、居並ぶ役員の前で『組織を変えるつもりなら自分を雇え』って大見得を切ったぐらいだから(笑)」
 「それはともかく、自分が目指したのは介護の仕事にとどまらず、弱者に支援の手を差し伸べるソーシャルワーカー的な仕事でした。それは今も変わりがなく、自分が施設長を務める『ながまち荘』の基本理念にもなってます」
――具体例だと?
 「例えば〝身体拘束〟の問題。介護の現場では、体をひもで縛る、ベッドを柵で囲む、介護着をまとわせるといった身体拘束の報告事例が後を絶たず、そこには個人の尊厳はありません。なくすには施設トップ以下、職員が一丸となって取り組んでいくしかない」

介護甲子園で優勝!

 「それも含め、ながまち荘が掲げているのが『007(ゼロゼロセブン)の誓い』。7つは拘束ゼロのほか、おむつゼロ、胃ろうゼロ、骨折ゼロ、褥瘡(じょくそう)ゼロ、下剤ゼロ、たばこゼロ。大風呂敷を広げてるようだけど、自分たちには明確な理念がある」
 「そんな取り組みが評価されたのが介護甲子園。全国の優れた施設を顕彰し、介護職の発展につなげるために毎年開かれている大会で、今年は6472件の応募の中から当施設が全国トップに選ばれました」
――凄~い!
 「現在の〝質〟を維持し、さらに向上させていくのが今後の課題。少子高齢化や待遇面の問題などで介護職のなり手不足は深刻だから、絶えず先手、先手を打って対応していかないと」

インドネシア職員も

――外国人職員の受け入れにも積極的だとか。
 「インドネシアと日本のEPA(経済連携協定)に基づき、同国の人材を定期的に受け入れています。近い将来、介護職の半分は外国人になると思う。そんな危機感を持って策を講じているところ、県内では少ないんじゃないかなあ」
――震災の影響で介護職員の不足が深刻な福島に応援要員も派遣して。
 「ながまち荘だって人手のやり繰りは大変だけど、EPAの活用で他の施設に比べれば余裕はあるから。応援要員は3年間派遣します。他が出せない以上、うちから出すしかないよね」

要はやる気の問題

 「結局はやる気の問題。自分は理念を持って組織を変えてきた自信がある。今後、ながまち荘でやっている介護を『N式介護』と名づけ、世界に向けて発信していく計画です」