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内科あれこれ/肺炎球菌ワクチン

2018年8月24日
 今回は肺炎球菌ワクチンのお話です。

肺炎、死亡原因の第3位

 ここ数年、肺炎にかかる患者が増加し、がん、心疾患に続いて肺炎が日本人の死因の第3位になっていることをご存知ですか?
 肺炎の原因菌として大きな割合を占めるのが「肺炎球菌」で、あるデータによれば肺炎球菌が肺炎全体の25%で検出されています。

内科あれこれ/肺炎球菌ワクチン

定期接種の対象

 でもご心配なく。肺炎球菌には有効なワクチン、肺炎球菌ワクチンがあります。2013年からは公費で助成される定期接種の対象になっており、積極的に予防接種を受けられることをお勧めします。

時期は「今でしょ!」

 その時期ですが、やはり定期接種の対象であるインフルエンザワクチンと絡めて考えましょう。インフルエンザワクチンは昨年、製造が追いつかなくなるなど混乱しましたが、10~11月中には受けておきたいものです。
 私の考えではまず肺炎球菌ワクチンを接種し、それから1ヵ月以上間をあけてインフルエンザワクチンを打つのがいいと思います。ということで「今でしょ!」

今年度中の接種を

 また肺炎球菌ワクチンは65歳以上の全員を対象に14年度から定期接種が始まりました。その時点で66歳以上の方を救済するため、同年度に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる人も対象にしました。これらすべての高齢者に通知が行くための5年間、つまり来年3月末までは経過措置でした。
 つまり、来年度からは定期接種の対象は原則65歳の人だけになる可能性があります。ですので、今年通知が来ている方は今年度中に接種されることをお勧めします。


内科あれこれ/肺炎球菌ワクチン
きくち
きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。