徹底して山形に密着したフリーペーパー

2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―

2018年7月27日
 間もなく「お盆」。この時期は県外で暮らす人も「ふるさとでお墓参りを」とこぞって帰省、年末年始と並んで山形が最もにぎわいをみせるのが毎年恒例の光景。そんなお盆に関するあれこれを調べてみると――。
2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―

正式名称は盂蘭盆会

 お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」。インド・サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバンナ」を音写したのが語源。お盆は逆さ吊りにされて苦しんでいる人を救う仏教行事で、インドで始まり、中国を経て日本に伝わったようです。

もとは7月盆

 「盂蘭盆経」というお経には「7月15日(旧暦)に大勢の僧侶を招き、飲食物を捧げて供養すれば苦しんでいる人も極楽浄土に行ける」とするお釈迦様の言葉があります。
 それにちなみ、日本でも江戸時代までは7月15日に親族が一堂に集まり、亡くなった人や先祖をしのぶというお盆の風習が行われていました。

7/27

現在は8月盆が主流 

 明治に入って新暦が採用されると、大部分の地域でお盆の時期を8月15日前後に遅らす「月遅れ盆」が定着していきます。  当時は国民の大多数を農家の人が占めていて、新暦の7月15日前後は農繁期に当たることから避けられるようになった面もあるようです。  ただ山形を含め全国的には8月の月遅れ盆が主流ですが、東京や横浜では7月盆、沖縄では9月盆もあるそうです。

2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―

お墓参りはお盆だけ? 

 ここで閑話休題。亡くなった人や先祖をしのぶのはお盆の期間だけで、それ以外の時にお墓参りをしても意味はないのでしょうか?
 答えはNOです。実は、お墓というのは悟りの世界を形にした塔とされます。つまり、お墓参りは亡くなった人や先祖をしのぶだけでなく、仏様を拝むためのものなのです。

初盆とは?

 その人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のことを「初盆」「新盆」といいます。ただし、亡くなってから「盆入り」(月遅れ盆なら8月13日)までの期間が49日(77日忌)を終えていない場合は翌年が初盆になります。
 新盆の場合は、普通の絵柄の入った盆提灯のほかに新盆用の白提灯を飾ります。白提灯は初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印となります。

2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―

お盆の料理

 お盆には、親戚が集まって料理を一緒に食べるという家庭も多いはず。古来、お盆でいただく料理には決まりがあるというのをご存知ですか?
 仏壇のお供え物といえば肉や魚などの動物性食品を使わない精進料理で、お盆の時も同じ。つまり穀物や野菜、海藻などを使うのが基本とか。
 「殺生禁止」という仏教の教えによるものでしょうが、時代も変わり、「そこまで厳格にしなくても」という風潮が強まっているようです。

7/27

「5」からなる精進料理

 とは言うものの、精進料理は脈々と受け継がれ ています。仏教では食事も修行の一環と考え、「五味」「五色」「五法」という言葉があるように、5から成り立つ料理法を意識して精進料理を作ります。

動物性食品以外にも

 動物性食品はもちろんですが、煩悩を刺激することを避けるという理由から「五辛」「五葷」といわれる匂いの強いニラ、ネギ、タマネギ、ニンニク、ラッキョウは使いません。

2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―

伝統を感じては?

 今でもお盆に精進料理を食べる風習が続いている地域や家庭もあるようですが、そうでない家庭は今年のお盆期間、1食でも精進料理の献立を用意して伝統を感じてみてはいかがでしょうか。

2018お盆の基礎知識―日本の伝統行事を次の世代へ―