内科あれこれ/痛風
2018年7月27日
最近、痛風の症状を訴える患者さんが例年より多いようです。
強烈な痛み
痛風は関節内に尿酸の結晶ができ、関節炎を起こすことによって生じます。痛風になりやすいのは足の親指の付け根、足背やひじ、ひざなど。
しばしば「ムズムズする」などの前兆があり、その後に強烈な痛みに襲われます。1~2週間たつと痛みは次第に落ち着き、しばらくすると症状は全くなくなりますが、結晶は関節内にとどまるためいつでも再発する可能性があります。

アルコールも原因
最近になって痛風の患者さんが多いのは、猛暑の影響でビールなどのアルコール摂取が増えているからでしょうか。
アルコールを分解する過程で尿酸が作られ、血液中の乳酸濃度が上昇すると痛風になりやすいといわれています。
またアルコールだけでなく、プリン体を含む食品を多量に摂った場合なども痛風になりやすいとされています。
発作時は鎮痛剤を
発作時の治療は痛みを抑えることです。やや強い鎮痛剤と、予兆時にはコルヒチンという特効薬もあります。注意したいのは発作中には尿酸を下げる薬は使用しないということです。尿酸を急に下げると関節内の結晶がはがれ、発作が増幅しやすくなります。
尿酸を下げる薬は発作が治まってからというわけですが、実際に発作が治まると治療が終わったと考えてしまう方が多いのが困りものです。
気長に治療を
最近の研究で、痛風は高尿酸血症や動脈硬化を促進することが知られています。痛風は高血圧、糖尿病、高脂血症と同じメタボリックシンドロームの一種と考えられ、発作が治まっても気長な治療が必要です。


きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。