真理子先生の女性のミカタ/妊娠中の感染
2018年6月8日
妊娠中、感染に気をつけたい病気として、はしか、B・C型肝炎、エイズなどは広く知られていますが、それ以外にも幾つかの病気があります。
生肉は危険です
お笑いタレントの渡部健さんと結婚し、妊娠していることを明らかにした女優の佐々木希さんがローストビーフを食べたインスタグラムをアップしたところ、それを注意するコメントが殺到しました。何故でしょう?
理由はロースビーフなどの生肉には寄生虫のトキソプラズマが付着していることがあり、感染すると生まれてくる子どもに障害が残ることがあるからです。

土いじりは避ける
トキソプラズマが付着しやすいのは馬刺し、ステーキのレア、サラミ、生ハムなど。生ハムやサラミをよく食べるフランスで感染者が多いとされ、これらの生肉に添えられてる野菜からも感染することも。
トキソプラズマは土壌中に生息していることもあり、妊娠中の土いじりは避けましょう。
恐ろしい風疹
また妊娠中に風疹に感染すると胎児が「先天性風疹症候群」を発症することがあります。発症した胎児は先天性心疾患、難聴、白内障などの恐れがあります。
風疹は妊娠前に自分に抗体があるか調べ、微妙な場合は予防注射をすれば安心です。検査は原則として無料で、予防注射にも補助が出ます。
唾液などからも感染
このほか、妊娠中にサイトメガロウイルスに感染すると流産や死産の恐れや、小頭症や低出生体重、難聴や発達障害などが心配です。このウイルスは唾液などの飛沫感染や性交渉、子どもの排泄物などからも感染します。上のお子さんとのキスやオムツ交換は用心しましょう。


院長 伊藤真理子
プロフィール
● (いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
プロフィール
● (いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。