内科あれこれ/熱中症
2018年5月25日
春というのに夏日や真夏日も観測される今日このごろ。今回は熱中症のお話です。
高齢者は要注意
厚生労働省によれば、2016年に熱中症で亡くなった人は621人。そのうち約80%が65歳以上の高齢者でした。
また13年の統計では、亡くなった先の84%が「住居」でした。つまり、重症の熱中症は大半が高齢者のいる住宅で発生しているわけです。
最近は高齢者の1人暮らしや、高齢者夫婦の2人暮らしが増えています。ご高齢の方は暑い日は自分の感覚に頼らず、冷房を控えることなく、水分補給を心がけるようにしましょう。

Ⅱ~Ⅲ度は病院で治療
それ以外の熱中症は屋外などで活動している場合がほとんどでしょう。
熱中症はその重症度でⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)の3段階に分かれます。このうち現場での対応が可能なのはⅠ度だけ。Ⅱ度、Ⅲ度は医療機関での治療が必要になります。
Ⅰ度は現場で対応
Ⅰ度は「熱けいれん」「熱失神」などと呼ばれ、症状としてはめまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りなどで、意識障害はありません。
そんな症状が見られたら、日陰などの冷所で安静をとり、体を冷やして水分と塩分の補給が必要です。基本的にはスポーツドリンクと水がいいでしょう。
お茶は利尿効果があるため、熱中症の場合は向きません。もちろんアルコールを含む飲料は絶対飲んではいけません。
救急隊の要請も
症状の改善が見られない場合や、頭痛、吐き気、意識障害(意識はあっても集中力や判断力が低下している場合も)がある場合は救急隊の要請も考えましょう。


きくち内科医院 院長
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。
菊地 義文
プロフィール
● (きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。