女性の美と健康/結節のお話
指が変形する病気はいくつかありますが、代表的な疾患が「ヘバーデン結節」と「プシャール結節」です。前者は爪に近い第一関節が変形する疾患、後者は中央の第二関節が変形する疾患です。

そもそも結節とは
結節とは骨が増殖して関節が変形することを言います。曲がったり赤く腫れたりするのが特徴で、水ぶくれのようになることもあります。
指の変形といえば「関節リウマチ」を疑う方も多いでしょうが、レントゲンで診ればリウマチとの区別は容易につきます。結節は骨が増殖するため骨のトゲができていますが、リウマチは骨が破壊されています。
女性ホルモンが影響?
2つの結節は男性にもみられますが、更年期や妊娠中の女性に多いのが特徴です。詳しいことは解明されていませんが、原因は指の使いすぎではなく、ホルモンバランスの崩れによるものと考えられています。
さらに詳しく申し上げれば、関節の腫れを和らげる女性ホルモンのエストロゲンの分泌が妊娠時や産後、さらに更年期に減少することが原因という見方が有力なのです。
更年期障害の一種か
つまり2つの結節は更年期障害の一種とも言えるわけですね。一般に更年期障害といえば発汗やのぼせ、動悸(どうき)、イライラといった症状が思い浮かびますが、こうした症状がない人ほど2つの結節になりやすいというデータもあります。
悩まず相談を
治療はテープを緩く巻いて安静にするのが基本。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤を用います。変形がひどく強い痛みがある場合は関節を固定する手術を行うことも。お悩みの方はご相談下さい。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。